ブラストダーム/Blastoderm

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Card of the Day -今日の1枚- 2013/11/13

ブラストダーム/Blastoderm

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4マナ5/5+能力...現在ならば《世界を喰らう者、ポルクラノス》がまさしくこれにあたり、無双しているカードだ。

 

ではこれの元祖は?遡ること「ネメシス」、多くのプレイヤーにとってはトラウマになるレベルで遭遇した《ブラストダーム》だ。

 

ダームは「ネメシス」のメインとなるメカニズム「消散」を持ったクリーチャーである。

 

消散は、寿命つきだけどそれまでの間はコストパフォーマンスが優れているものを提供するよという、なかなかに面白い能力だった。

 

消散持ちには消散カウンターを消費して何かしらのアクションを行うものもいて、それらはゲームの幅を広めた。

 

彼らに比べれば、ダームはシンプルな消散持ちだ。

 

彼の目的は、死ぬまで殴り続けるということ。それだけだ。

 

同じマナ域では並ぶ者がいないサイズに加えて、ピンポイントの除去なら弾いてしまう被覆を持つダームの進撃を止めるのは、容易なことではなかった。

 

ズンズンとプレイヤーに向かって行き、強烈なぶちかましをお見舞い。

 

何せ、初期ライフの1/4を持っていかれるのだ。

 

3発殴って最後の一撃、というタイミングで、ダームにはおむかえが来てしまう。

 

イラストから推測するに、皮膚が泡となり解けて力尽きるのだろう。

 

これ1枚で勝てない様に作っているのは、デザインとして非常に優秀だと思う。

 

無双はするが、クソゲーの原因となる訳ではない。

 

この1枚だけで勝てるわけではない点から生まれた格言が「ダームは1匹は通せ」というもの。

 

それだけで負けることがないのなら、他の脅威に対してカウンターを使う方がより優位に立ちまわれるということだ。

 

当時若かった筆者含む若い世代は「なるほど」と感動したのだった。

 

ダームにはトランプルがないため、チャンプで凌いで寿命を待たれるという状況は辛いのだが、それを防ぐため黒の除去と組ませるというのはとても理にかなっていた。

 

このアプローチを行ったデッキはブロック構築にて「スナフ・オ・ダーム」という名前で登場し、成果を上げていた。

 

そして「インベイジョン」登場により、ダームは遂にその真価を発揮する。

 

《ヤヴィマヤの火》が速攻を与え、ダーム1枚で20点削りきれるようになってしまったのだ。

 

この爆発力は環境を支配するレベルのものだった。

 

ダームを凌いだところで、他の攻め口がまだまだあるというのに、イヤでもこの怪物を相手しなくてはいけない。

 

どないすりゃええねん!→自分もダーム使ったらええんや!の流れを経験したプレイヤーは、決して少なくないだろう。

 

また、プロテクション(緑)、タフネス6、再生などを持った壁役で耐え忍ぶという戦略も登場した。

 

筆者も《ヴォーディリアのゾンビ》《夜景学院の使い魔》で粘り、《アンデッドの王》で勝つデッキを作りダームに真っ向から勝負を挑んだものだ。

 

ダームは僕らにとって一つの「象徴」であり、「時代」だった。
(ちなみにブラストダームとは発生学用語で「胚盤葉」を意味する)


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