2014/02/14 邪神の寺院 - Card of the Day -今日の1枚-

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邪神の寺院/Temple of the False God

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考えてみれば「神」という言葉の意味するところは真に広いものである。人にとって聖なる存在である、所謂「神」を意味すると同時に、人を悪しき方向に導く存在である「邪神」にもその文字が使われているというのが面白い。他の文字がその意味を持つのではなく、あくまで「神」で表現されるというのはよくよく考えれば面白い話ではあるまいか。

これは日本語に留まらず、英語でも「False God」と表現される。邪悪であろうとも全知全能の力を有していれば、人はそれを「神」として認識するのだ。


マジックの世界で邪神と言えば何をさしおいてもまずは《邪神カローナ》である。オンスロート・ブロックの(そして次元ドミナリアを舞台としたシリーズの)最後を飾るに相応しいラスボスであるこの邪神は、その絶対的な力という魅力で多くの信奉者を得た。その信者たちが築き上げたのがこの《邪神の寺院》である。


信仰というものは力であり、最初は脆弱なものであっても、ある点を転機として報われるものとなる(かもしれない)。ずっと同じデッキを使い込むとかね。この邪神への信仰も、最初は無力に見える。いや、事実無力である。無色マナしか出ない土地というものは、他の機能を備えていない限りは単色のデッキでさえ基本土地以下の扱いをされることがしばしば。それが「マナすら出ない」となれば、一体これは何なのかと。

いやいや、そんな焦土のような荒れ地でも、しっかりと寺院を建立し、信仰を日々怠らず(毎ターン土地セットの意)に過ごしていれば、ある日突然天から力が降ってくるものだ。コントロールしている土地の枚数が5枚を以上になると、ようやく邪神はその力の一端を我々に授けてくれるのである。これまでのターン出すはずだったマナを倍にして供給してくれるのである。


しかし無色2マナが出て、5ターン目に6マナ(あるいはこれが複数出ていれば7マナ、8マナと)捻出することにどれだけの意味があるのか?これが、そこそこあった。オンスロート・ブロック構築では、セット全体が重いカード・特に6マナを超えるカード=パワーカードという作りだったため、それらのカードを1ターン早くキャストできるというメリットは、序盤に土地として全く機能しないことに目を瞑っても良いレベルの恩恵であった。この恩恵をフルに活かしたのは、《アクローマの復讐》を積んだ「白コントロール」や《窯口のドラゴン》を擁する「クローコントロール」など。


残念ながら、崇拝の対象である《邪神カローナ》との相性は全くもって良くない。嗚呼すれちがい。

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