2014/04/02 棺の操り人形 - Card of the Day -今日の1枚-

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棺の操り人形/Coffin Puppets

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「大人の事情」というものがある。時として理不尽だったり違和感を覚えるものかもしれないが、世の中どうしようもないこともあるのです。わかってくだせえ。というわけで今日の1枚は大人の事情にうっかりだかなんだかが入り混じり真実は闇の中な1枚を紹介したい。


既にご存知の方もおられるとは思うが、中国では法律で「骸骨」「髑髏」のイラストが禁じられていた。

詳しいことはわからないが、中国の長い歴史の中で生まれ守られてきた1つの文化・思想なのだろう。しかしマジックには、歩き回る不死の骸骨や、対象を腐敗させ髑髏を剥き出しにさせてしまう呪文など、スケルトンなイラストなんていくらでも存在しているではないか。

これらは中国でどうなの?…実は、それらのカードには別のイラストがあてがわれているのだ。

例えば「ウルザズサーガ」には数多くの骸骨イラストが収録されているが、それらは強引に肌色で塗って皮膚があるように加工したり、黒塗りでシルエットだけにされたり、骸骨が写っている部分をカットしてイラストを拡大したり、元のイラストと雰囲気の近いイラストが描きおろされたりといった工夫で乗り切られている。

これらの見た目が違うカード達は、他人と差をつけたいコレクターにとってはたまらない逸品だ。多言語にあまり興味のない方でも、このイラスト違いは初めて目の当たりにすると「おぉ」とテンションが上がるはずだ。


この例に漏れず、「プロフェシー」の骸骨が思いっきり描かれたレアカード《棺の操り人形》は、中国で販売されたものは原形をとどめていない、骸骨感ゼロの謎のクリーチャーが描かれている。

そして、不思議なことに何故か日本語版でもこの謎の怪物のイラストが用いられたのだ。どういう経緯でこのようなミスが起きたのか、カードが刷られるまでの流れを妄想しながら考えるとなかなか面白い。


カードとしては、悪くない性能である。まあまあ強いし鬱陶しい。勘違いしてはいけないのは、これは沼を2枚生け贄に捧げろとは書かれていないこと。自らの戦場に沼が1枚しかなくても、土地を2枚生け贄に捧げれば釣り上げることが可能だ。

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