2014/05/20 苦悶の結合 - Card of the Day -今日の1枚-

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苦悶の結合/Bond of Agony

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「法の抜け穴」というフレーズ自体はよく耳にするものだが、実際にどんなものなのか目の当たりにした経験というものがある人間は一握りだと思う。それは方が抜け穴だらけではなくしっかりと整備されたものであるということの裏打ちであるわけだが、誰しも一度はそんな、法を犯したり破ったりする訳ではないのにそれらを超越する、「抜け穴」に憧れたことがあるのではないだろうか。いやないか。

マジックにおける法とはルールである。マジックのルールは、シンプルなものか始まり、そのカード群が多様性を増すたびにより深く深く進化していった。深化といった方が良いのかもしれない。このまだまだ底の見えないルールの海は、世界中のジャッジ達が探索し研究し真実を見つけ出すという行為が積み重なって生まれた偉大なものである。

時に、そこには全く未知の存在が登場することがある。これは世界中のジャッジを巻き込んで論争が起きる、一大クロスオーバー・イベントへと発展し、マジックのルールにまた1つ新たなページが加えられることになる。今日はそんなクロスオーバーの1つであった「幻のカスケード×ボンド・コンボ」を紹介しよう。


「アラーラ再誕」で登場した「続唱」。これにより、X呪文を唱えたらどうなるか?そんなもの、X=0に決まっている。では、《苦悶の結合》を捲った場合は?そんなもの…わからないです。Xマナは支払われていないが、追加のコストとしてXライフ支払うことは出来るのではないか・そこで17点ライフを支払えば、相手のライフを17点奪うことが出来るのではないか?という議論が世界中のジャッジとレガシープレイヤー達の間で行われたのだ。

ちなみに、17点というのは、残りの3点を《血編み髪のエルフ》で殴って削るという計算である。血編み、やっぱり強いよね。


僕もこの問題には興味があって、世界中のマジックに関する掲示板を覗いていた。「うちの大会ではOKだったぜ!」「レベル3ジャッジに聞いたけど無理みたいだぞ」「明文化されていないからなんとも言えないらしい」といった意見が飛び交う中、2009年7月11日の総合ルール更新でこれに対する回答が明確にルール化された。

「マナ・コストにXを含み、文章中でXの値が定義されてない呪文を、マナ・コストを支払わないで唱えるか、Xを含まない代替コストで唱えた場合、Xは0以外選べない」

世界中の皆「お疲れ様でした!解散!」

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