2014/06/09 デルレイッチ - Card of the Day -今日の1枚-

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デルレイッチ/Delraich

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Card of the Day2年目の幕開けは、この衝撃的なイラストから始まる…

今週は、「恐怖のグロテスク・ウィーク」。一発目から飛ばしていく、この姿勢が評価されると信じて。

《デルレイッチ》ほど、イラストとカードの能力がリンクしていて初心者に優しいカードもないだろう。怖いけど。普通にキャストすれば7マナ6/6トランプル。ちょっと重いが、当時の黒のクリーチャーの質を考えれば、全くもって悪くない。むしろ、これより弱い連中ばかりだったので、十分に「上」と呼べる存在だった。

これが、イラストにも見られるように3体のクリーチャーを生け贄に捧げるのであればマナの支払いが不要になる。「ピッチスペル」というもので、これがトーナメントシーンに還ってくるのを売りにしていた「メルカディアン・マスクス」の中でも、ずば抜けて強力・存在感に溢れた1枚だった。

ピッチコストではない通常のマナで召喚する、所謂「ハードキャスト」ではトーナメントシーンの速度に追いつくのは難しい。しかし、3体生け贄ならば他の追随を許さない驚異的な速度を誇っていた。これには、《センギアの重臣》というかけがえのない相棒の存在があってこそ。

センギアは、4マナ2/2で場に出た時に0/1を3体引き連れてくる。このチャンプブロックぐらいしか使い道のないトークンを、《デルレイッチ》が美味しくいただくというわけだ。センギアは4マナなので、《暗黒の儀式》《厳かなモノリス》といった超A級マナブースト職人がいたこの時代には、簡単に2ターン目の降臨が可能・ちょっと上振れすれば1ターン目に叩きつけるのもどうということはない。

1ターン目から8点クロックが殴りかかってくる上に、そいつらは黒くて《恐怖》《血の復讐》《殺し》のような限られた確定除去が通用しない。このコンボと呼んで差支えないエンジンは「強襲デルレイッチ」と呼ばれた。The Finals99の準々決勝にて、当時最強のデッキだった「ピットサイクル」がこれに瞬殺されたことで、《デルレイッチ》のポテンシュアルの高さは世に知れ渡ることとなった。

しかしまあイラストのグロテスクなこと。これに取り込まれた犠牲者は、そのイラストから察するにまだ自我が残っているように見える。これを「生き地獄」というのだろう。メルカディアの子どもをしかるのに「《デルレイッチ》に取り込まれちゃうよ!」と言うのはさぞ効果的なことだろう。

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