2014/06/10 死体の花 - Card of the Day -今日の1枚-

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死体の花/Cadaverous Bloom

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マジックをやっていると、なんとなく法則性というものが見えてくる。必ずしもそうとは言えない、あくまで印象が強いだけでそう思い込んでいるというものも多いのは勿論のことだが、「カード名が短いカードは強い」「『全ての』と書かれているカードは強い」「テキストが短いカードは強い」といったものだ。

《神の怒り》なんかこれにど真ん中ストライクなので、なるほどと思ってしまう。しかしまあ、必ずしもそうではないということも同時にわかる。最近ではこれらの法則性に関する話は全く聞かなくなった。これも時代の流れだろうか。

さて、上記のような法則性のウワサ話の中に「イラストがグロいカードは強い」というものがあった。これを証明する際に、よく実例としてあがってくるのが《死体の花》だ。まず名前がストレートすぎる。「死体」という言葉が臆せず用いられているのは、ゲームの世界ではありそうで実はなかなか自主規制されているものだ。

この、死体から生えてくるという稀有な植生を持つ植物・それが花を咲かせる様子が描かれているイラストは、インパクトの塊である。もはや骨と化した死体から怪しい怪奇植物がニョキニョキ生えている、「現実で遭遇したら確定トラウマ」な光景にして、「現実で出くわすことがあり得なくはない」ワンシーンである。ない?本当にそう言い切れるかな…

まあホラー路線は置いといて、カードとしては「コンボを組んでくれ!」とこれでもかと主張してくるテキスト。あるリソースをマナに変換する、というカードはマジックの歴史においても数多く存在するが、これは手札1枚を2マナに変換する強力なものである。

質が全く異なるものとはいえ、1が2になるというのは一目見ただけで「お得感」を確認できるだろう。勿論大量ドローとの相性が抜群であり、「ヴィジョンズ」で《繁栄》を獲得したことにより、Xドロー→大量マナ→Xドローを連打して最後はXドレイン・火力で決着をつける「プロスブルーム」が誕生。様々な追い風もあってトーナメントシーンで猛威を振るったのだった。個人的には同様のアプローチを狙った「ネクロブルームゲイザー」もデッキ名がカッコイイので大好きだ。勿論ネクロは《ネクロポーテンス》のこと。ゲイザーは《溶岩噴火》だ。

最近はこういったコンボに使える・コンボにしか使えないカードが意図的に作られていないように思う。この怪奇植物がMike Longというデッキビルダーを昇華させたように、「カードの持つ可能性がプレイヤーを育む」というモーメントがあまり見られなくなったのは残念でならない。

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