2014/07/03 Spinal Villain - Card of the Day -今日の1枚-

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Spinal Villain

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「Spinal」は「背骨の・脊髄」、「Villain」は「悪党・悪役」という意味がある。さすれば、この《Spinal Villain》を直訳すれば「背骨の悪党」となる。

意訳…のしようもないな、背骨の悪党さんとしか言い表せない。意味はわかるけどわからないし、わからないけどわかる不思議な言葉だ。


この古き良き「レジェンド」の怪生物は、3マナ1/2と非常に脆弱な肉の欠片のような生き物だ。ハッキリ言って戦闘では全く役に立たないスペックにして、とある局面に異常に特化した恐ろしい能力を持ち合わせている。

この蟲…チックな怪物は、タップすることで青いクリーチャーを無条件で破壊することが出来る。赤の「対抗色」…この時代の感覚で言うならば「敵対色」の1つである青。それに対する徹底したアンチテーゼ、赤い処刑マシーン、Small Red Thing。この背骨の悪党が機能し始めれば、マーフォークなど鱠に干物に蒲焼にと、「フルコース」に成り下がる。これ、ダメージじゃなくて破壊なのが凄まじいね。

《霜の壁》とか《リバイアサン》ですら一撃必殺。青いクリーチャーをこよなく愛するプレイヤーからすると、まさしく「悪党の中の悪党」。


個人的にはイラストが大好きな1枚。映画「エイリアン」に登場するフェイスハガーのような、醜悪にして地球の蟲なんかと似ていても全く異なる進化を辿ってきたことがわかる絶妙なデザイン。

多肢で描かれることが多いこの手のクリーチャーには珍しく2本の腕のようなものを持つのみで、しかもゴリラのような「ナックルウォーク」の姿勢をとっているのも独特で素晴らしい。このイラストを見るに、確かに背骨っぽさはある。

あるんだけど、あくまで「ぽさ」なので、カード名が指す「背骨の」とは、コイツの形状を指すのか・はたまた青い生物の背骨に寄生して内側から破壊する様をイメージさせるものなのか、それはプレイヤーに委ねられている。

考える余地があるネーミングにイラストの組み合わせというのは良いものだ。


フレーバーテキストには、著者名と引用書物の名前が書かれているのだが、調べてみても全く何なのかわからなかった。相当古い古典か、それとも「それっぽい」ものを作り上げたのかはわからない。これを読むに、静かにこっそりと獲物を殺してしまう化け物であることを伝えたいようだ。


今週は「絶滅種族」ウィーク、この悪党も「悪党」というワンアンドオンリー種族であった。職業…と呼ぶにもくくりが大きい、「生き方」がクリーチャータイプになっている稀有な例だった。

例によって今週毎日書いている「例のアレ」こと大編成でビーストととなり、悪党は滅んだ。しかしこそこそした悪事は不滅なのだ。

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