2014/07/23 残虐無道の群れ - Card of the Day -今日の1枚-

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残虐無道の群れ/Ravaging Horde

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土地を破壊する。古より続くマジックの、最も根本的な破壊アクションの1つである。「アルファ」の時点で、これに属するカードは9枚(《Chaos Orb》とかいう問題児を入れれば10枚になるがさすがにノーカウントでしょう)も創られており、マジック誕生時から勝利へとつながるアクションとして設定されていた。

近年では、一方的なゲームを生み出し過ぎる恐れがあるという懸念の元、これらのカードは明らかなパワーダウン傾向にある。かつての土地破壊のド定番《石の雨》すら危惧されている時代だ。これにはおそらく、プレイヤーにいろんなマナ域のカードを遊んでほしいという作り手の思いも込められているのだろう。

そんな現代の事情や思惑なんて微塵も知らない、土地破壊全盛時代に生まれたカード達の中から本日紹介するのは《残虐無道の群れ》。これね、まず名前が凄いですよね。「ポータル三国志」は文字通り三国志の世界を舞台としており、この無法者達はかの「酒池肉林」で有名となった董卓の配下の連中をカード化したもの。

董卓は、元は中華の中心より遠く離れた辺境の地の一将軍に過ぎなかったが、その北の地にて無頼の連中を手懐け力を蓄えていた。

中華を治める後漢の皇帝・霊帝が死去したことにより乗じた混乱の中、満を持して進軍した董卓はあれよという間に政治的実権を掌握。自身の手で新たな皇帝を擁立し、その地位を確固たるものとした。

以後、酒池肉林に代表されるやりたい放題・悪逆無道の限りを尽くす。これを見かねた各地の諸侯たちは「董卓討つべし」と団結して、こうして群雄割拠の三国志の時代が始まっていくんだね。

政治的な地位を盾に、民衆から金品を強奪するなどの「鬼畜の所業」とでも言うべき行いをしてきた董卓の軍勢を見事にカード化した1枚である。

5マナと重いとはいえ、クリーチャーであるということはいろいろと悪さが出来ることの証明である。これを連打されると、虐げられた無力な民の気分になれることだろう。

ちなみに、近年は「董卓はそこまで無茶苦茶はしていなかった」という説も出てきている。

歴史書とは、あくまで生き延びた側が記し後世に残していたこの時代。「真実」を確認する術はないが、ロマン溢れる時代に想いを馳せることは今を生きる者の自由だ。

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