2014/09/05 兵員の混乱 - Card of the Day -今日の1枚-

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兵員の混乱/Confusion in the Ranks

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 訳が分からなさすぎる、というのがパッと見の印象。すごいもんね、テッカテカのレオニンがダイブしててその下からニュッとゴブリンがサイドステップしながら呪文爆弾的アイテムを爆発させ、光線が走り抜けエルフは地に膝をつく。

その背後に迫るのはなにかもわからないダンゴ虫のバケモノ的殺戮マシーン、そして前から迫るは《エイトグ》チックな頭部とカエルのような手足、なめらかなサナダムシ状の身体を持ったメタリックな無機物生命体。

これにはエルフも蹴り上げをぶちかますが、絶体絶命の状況には変わりなし…この狭い空間にこれだけ濃密な戦闘が繰り広げられているが、それに加えて左後方に見える噴火と打ち上げられる人物など、情報量がパンク寸前。

Ron Spencer氏による素晴らしくメタルなイラストに加えて、マナコストは③RR、カードタイプはエンチャント。

この時点で「あ、はい」とテキストを読むのを止めてしまう方も少なからずいたのではないだろうか。毎度お馴染み、どんなエキスパンションにも1つは設けられる赤の特等席「カオス枠」。鋼鉄の次元「ミラディン」のそれは、とりわけChaotic。その名は《兵員の混乱》。


アーティファクト・クリーチャー・エンチャントが戦場に出ると、それと同じカードタイプを持つ対戦相手がコントロールするパーマネントと強制的に交換させられてしまう。

これは全てのプレイヤーに適用されるため、お互いに何かを出しては何かを奪うということを繰り返す。これが本当に混乱を生み出すのだ。どちらかが強力なパーマネント…例えば《悪斬の天使》を戦場に投下しても、それはすぐさま相手の《極楽鳥》と交換になり寝返る。

しかしその気になればすぐに取り戻すことが可能で、そうこうしているうちに《梅澤の十手》と《真鍮人間》が交換されて地獄を見る…といった具合に、もしフィーチャーマッチで登場すればカバレージ担当者をリアル混乱させること間違いなしな、はた迷惑すぎる1枚だ。


実は、ここまでカオスな存在である割にはトーナメントレベルでのサイドカードとして使われたことがある。赤単に積まれたこれは、赤が触れない《赤の防御円》しかり《崇拝》しかり、強烈なアンチ赤・エンチャントを自身の割とどうでも良いエンチャントと交換することで対策してしまうのだ。

混乱に乗じて勝機を見出す、狂気にしか見えない正気の沙汰。こういうの実戦で炸裂させて結果を残す人ってかっこいいよなぁ。ちなみに僕は統率者戦で《二の足踏みのノリン》と組み合わせてアホほど相手のクリーチャーをいただきました。ホームシックすぎる交換留学生コンボ、是非一度お試しあれ。

 いやしかし本当にメタルなカードだ。イラストのみならず効果も、なんというか持っている空気そのものも。オルタナティヴ・メタル、ヘヴィロックが聴きたくなってくる。「煩さ」への欲求というものを可視化する必要があるならば、これを筆頭にあげたい。

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