2014/10/08 棘茨の精霊 - Card of the Day -今日の1枚-

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棘茨の精霊/Bramble Elemental

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考えてみれば、パワー4というのは絶妙な数字である。対戦相手のライフを20から0に減らすゲームであるため(基本的には、ね)、パワー4のクリーチャー1体で勝利するのに必要な攻撃回数は5回。そのクリーチャーが速攻でも持たない限りは、そいつが戦場に姿を現してから対戦相手には5ターンの猶予が与えられることになる。5回チャンスをもらえれば、なんとかなりそうなものだ。

ただそれが《セラの天使》だったりすると、リミテッドの場合は本当になんともならないこともある。強力だけど、極端に致命的というわけでもない。良い塩梅、というやつだろう。リミテッドでは、どんな環境であれこのサイズが数体はデッキに欲しいところだ。一種のボーダーラインでもある。

《棘茨の精霊》もそういったリミテッドの主力級であり、色が合えばピックしたいカードの1枚である。5マナ4/4という戦力としてカウント出来るサイズだけでも、クリーチャーが貧弱な色に対して十分に脅威ではあるが、その能力が機能しだすと更に厄介になるときたもんだ。

この《棘茨の精霊》にオーラが1枚つけられると、この茨は魔力を吸って成長でもするのだろう、その枝を分化させて1/1の苗木トークンを2体生み出すのだ。攻撃に行く大型が、その留守を任せるチャンプブロッカーを生み出せるというのは素晴らしい。盤面で押していれば1/1でも攻めの要因にはなるし、「ラヴニカ:ギルドの都」には《圧倒》のような所謂オーバーラン系であったり「召集」呪文だったりが存在するのでトークンの使い道に困ることはまずない。

このクリーチャーはオーラの持つ「1:2交換を取られる」というイメージを払拭するために作られたカードの1つである。同エキスパンションには各色に戦場に出ただけでなんらかのアドバンテージをもたらすオーラが用意されており、他にもアンコモンやレアにも強力なものが用意されたりと、あきらかな「オーラ推し」セットだったのだ。このアンコモンでもおかしくない能力を持つカードがコモンだというのもそれを裏付ける。さもそういうアーキタイプのデッキを組んでくれ!と言わんばかりの1枚であり、事実リミテッドでは頼もしいこと・鬱陶しいことこの上ない1枚だったのを覚えている。

ちなみに除去自体もオーラで行うことが多かったこのブロックでは、それらを貼り付けて封じようとすると最後の抵抗とばかりに苗木を吐き出してくるのがまた最高に鬱陶しいものだ。勿論、褒め言葉である。

ここ数年でさり気なくルールテキストが繰り返し変更された1枚。2010年に行われた総合ルール変更で、一度は能力が機能しなくなる。

カードが「~の状態になった場合」という誘発型能力は、その条件を満たした状態のままでカードが領域を移動することでは誘発しなくなったのだ。オーラは「何かについている状態」で戦場に出るため、「つけられた状態」になった時に誘発するこのカードの能力が機能しなくなったのである。字面では非常にややこしく申し訳ないが、「そういうこと」にしてほしい。このままではマズい、ということで能力が従来のものに1つ追加されたのだった。

「オーラが1つ、これにつけられた状態で戦場に出る度」…ややこしいわい。初心者にはなんのこっちゃ1ミリも理解できないのがまた面白い。この能力は後に、上述の総合ルールがナシになったことで不要となり、削除された元の状態へと戻ることとなった。簡単に見えて、ややこしいカードだったんだなぁ。

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