2014/10/11 弧炎撒き - Card of the Day -今日の1枚-

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弧炎撒き/Arc-Slogger

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 パワー4のクリーチャーを考えながら各種仕事をしていた時のこと。その時に日本人初のプロツアー王者である黒田正城さんに関する話が出てくる。いつも各種イベントで黒田さんにはお世話になっているのだけど、それでパッと思いついたパワー4のクリーチャーがいた。というわけで「Power4ウィーク」のトリを務めるのは《弧炎撒き》!これで決まりだ。

 何故黒田さんでコイツが浮かび上がるのかというと、このパワー4の怪物をフィニッシャーに据えたデッキ「ビッグ・レッド」で黒田さんがPT神戸04にて悲願の日本人初のPT王者に輝いたという経歴があるからだ。「ミラディン」と「ダークスティール」によるブロック構築は、各種「親和」が蔓延る世界だったが、その頂点に立ったのは「アンチ親和」の筆頭格の「ビッグ・レッド」であり、同デッキの顔と言えば《弧炎撒き》だ。

 この5マナ4/5のビーストは、まずその数字だけでもドラゴンを除くと大型生物を苦手とする赤という色の中では巨大で目立つ体格である。まあバニラとかならそこそこ居たりするんだけど、この体躯に強力な能力という組み合わせは特筆ものだ。赤1マナとライブラリーを「10枚」追放することで《ショック》を撃ちこむことが出来る起動型能力を持っている。まずこの10枚という派手なコストが目を引き、登場時から話題の1枚ではあった。特に、初心者には「ただただ馬鹿でかいデメリット」にしか見えないカードの典型である。一見、莫大なリソースを失っているように見えるからだ。

 しかし冷静に考えてみると、これを出したターンから10枚もカードを引くのか=10ターンもゲームが続くのかというところ。いや、引かないね。せいぜい、長引いて4ターンくらいじゃないかな?ということは、理論上4枚以上カードが山札にあっても引かない=意味がないという理論に行きつくことになる。引くことが出来ないカードは「死に牌」だ。それらをリソースとして使用し、2点火力に置き換えることが出来るとしたら?そう、強いんである。これに気付ければ、初心者はちょっと脱却したと言っても良いだろう。

《弧炎撒き》は「ビッグ・レッド」において戦場に着地したら次のターンにはその尻尾と背中の突起をフル稼働させて、ライブラリー40枚くらいを餌にして放電しまくることになるだろう。それだけで8点、自身のパワーで4点、ここだけで12点もある。残り8点くらい、これが出てくるまでの間に削っているに決まっているのど、戦場に出て無事にターンが返ってくればゲームエンド、というのは決して言い過ぎではないのだ。

 「弧炎」と訳されてはいるが、どう見ても炎ではなく電気を放出させている。これは「Arc」に「弧炎」というテンプレ翻訳が為されていたためだが、このカード以降のカードでは明らかに電気のことを意味する「Arc」をカード名に持つものが出てき始めた。そのため、以降は「電弧」という新しいテンプレが追加され、それが用いられている。このカードももしかしたら「電弧撒き」となっていたのかもしれない。デンコマキ、なんかかわいいじゃないか。

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