2014/10/21 溶岩操作 - Card of the Day -今日の1枚-

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溶岩操作/Molten Influence

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 悪役の定番台詞「○○するか、死ぬか。選ばせてやる」。結局主人公が頑張ってどっちの選択もとらずに終わることがほとんど。観ている方もわかっているので、これはもう様式美だ。

その台詞を放った者を絶対的なクソ野郎と定義するにはこの上ない演出である。こういう類のことを言って本当に主要人物が殺されたりすると、それはそれで定石外しの面白さがある。結局、どっちに転んでも物語がしっかりさえしていればいいのだ。

これがことマジックとなると、話が変わってくる。何せこれは、ゲームなのだ。自分がいくつもの選択肢の中からベストなものを選択し、相手の選択肢を奪ってゆく。これがマジックというゲームの1つの理想である。

自分だけ展開するか除去するかという状況で、相手は特定の一手しか打てないとなると、こらもう勝ちだわ。そういうものを理想とする中で、相手に選択肢を与えるとはどういうことか。「○○か、××か、好きな方を選ばせてやる」。

これが10点のライフを失うか、パーマネントを5つ吹き飛ばされるか…みたいな選択肢だと大いに悩むことになるだろう。というか、どっちを選んでも苦しい。しかし、マジックで相手に選択肢を突き付けるカードは、基本的にそこまでハードじゃない。

《溶岩操作》は、そんな選択肢を迫る「懲罰者」と呼ばれるカード群の代表的レアである。押し付ける2択はストレートなもので「X点ダメージを受けるか、さもなくば(相手にとって不利益なこと)をしろ」というもの。これらのカードは、いずれも本来のマナコストでは得られないような恩恵を与えてくれるか、あるいは非常に効率に優れたダメージを弾き出してくれる。

この《溶岩操作》に至っては、2マナ4点火力か対象の呪文を打ち消すかどっちか選べという、本来赤には与えられていない役割をこなす器用な1枚だ。

こう書くと妙に強そうに見えるから困るが、実際はそうもオイシイものじゃ決してない。対戦相手が唱えた呪文に対してこれを撃ちこんだ場合、相手が大した呪文じゃないと思っていれば打ち消されるし、通せば勝てると思っているならば4点ぐらい受け止められてしまう。つまり、打消し呪文として考えると絶対にうまくいかないという訳だ。

なのでここは2マナ4点火力であるという点に注目して扱いたいが…そもそも、相手のライフが低い状況で相手の呪文に対してこれを撃ちこめば、4点のダメージを受けてくれる訳がない。たしかに1:1交換ではあるのだが、そもそもそういうカードがバーン系のデッキに必要なのか?と問われると…。

というわけで使うならばファンデッキになってくるわけだが、ここはもういっそ「オール懲罰者総進撃」と題して全ての選択肢を相手に委ねてみるというのも面白いんじゃないかな。

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