2014/11/06 もの悲しい詩人 - Card of the Day -今日の1枚-

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もの悲しい詩人/Tragic Poet

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 儚げなイラストのカードは目に留まるものだ。トーナメントシーンでは、ドラゴンやゾンビや墓場喰ってデカくなる謎の生物、鎧を着こんだ重騎士に果ては悪魔の支配者や触手まみれのクラゲ大王、そんな連中が跋扈する世界において、アンニュイな表情で佇む美しき女性がいたりすると、自己主張激しいモンスターどもよりもかえって存在感を放つものである。そんなわけで今週お届けしている「アンニュイ・ウィーク」、今日の1枚は美しき女性にフィーチャーして《もの悲しい詩人》をお届けしよう。

カードとしては1マナ1/1、か弱き女性に見えるが、死に際に立たされるとゴブリンや猟犬などと相討ちにまでもつれ込むことが出来るのは、なんかリアルだね。詩人と言えども魔法で呼び出されている戦力である以上、戦ってくれるのだ。それはさておき、彼女の真の力はやはり詩を読むことで発揮される。彼女を生け贄に捧げることで、墓地にあるエンチャントを回収することが出来る。エンチャントは、「詠唱」という言葉もあるくらいで歌・詩に例えられることが多い。ある詩人が命を賭して書き、歌い上げた詩が太古に失われた秘術を蘇らせる…実にドラマティックな能力を持った1枚である。

これが収録された「ウルザズ・レガシー」は、実はエンチャントを強化するために作られたセットの1つである。「エターナル・エンチャント」や「休眠カード」といったそれまでと一線を画するエンチャントの姿を見ることが出来る。《仕組まれた疫病》や《怨恨》といった、今でも一線級のカードが数多く収録されており説得力も高い(しかし、アーティファクトがそれを上回ってヤバかったことは置いておくとしよう)。そんなセットのエンチャントを拾うために作られた1枚だが、今では「テーロス」のおかげでクリーチャーでもあるエンチャントも多く増え、その能力の幅は大いに増した。《太陽の神、エルズペス》に祈りを捧げて散る詩人なんて、美し過ぎるではないか。その対象を変更されてゼナゴスなんかが還ってきたらそれはそれで悲劇な感じがしてGood。

憂いを帯びた、美しい女性を描いたのはQuinton Hoover氏。いつか会いたい・GPにお招きしたいアーティストの一人だった。しかしまことに残念ながら、Hoover氏は2013年4月20日、49歳という若さでこの世を去った。数々の美麗イラストのカード達、コレクションとして持っている方は是非大事に持っていてあげてください。

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