2014/11/07 グルールのギルド魔道士 - Card of the Day -今日の1枚-

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グルールのギルド魔道士/Gruul Guildmage

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ギャップにグッとくることは多々ある。「能ある鷹は爪を隠す」というわけでもないが、普段見せない一面というものは即ち魅力へと繋がりやすい。

あの悪役レスラーが難病の少年と面会し励ましていたなんて!大人しそうに見えたバイトの子がギターを手に取ればあんなに激しい演奏をするだなんて!ライオンもボールをあげると猫のようにじゃれるなんて!こんな具合に、思いもしなかった二つが線で結ばれる、その構図を人は美しい・良いと評価する傾向にあるように思う。見てくれは悪いが白身で美味い魚とか、最高でしょ。

 マジックでギャップというと、個人的には「グルール」かなと。次元ラヴニカに住む、野性味あふれる氏族の集まりであるグルール一族。

人間・ゴブリン・ヴィーアシーノ・オーガ・サイクロプス・トロール・巨人・そして野生動物、これら多種族が結成するいくつかの○○族を偉大なる戦士・腹音鳴らしが腕力で束ねるギルドだ。カードでも、まさに蛮族といった出で立ちの面々が破壊の限りを尽くしているシーンが多いため、そういった原始的な生活を送る無法者といった印象が根付いていることだろう。

事実、その要素は色濃く持っているが、それはあくまでこのギルドの一面に過ぎない。何せ、元々は高貴なギルドであったのだ。彼らは、都市部を拡大し続けるラヴニカという次元の在り方に疑問を持ち、貴重な自然環境が失われてゆくことを憂いた。

グルールの元々の仕事は、これらの自然環境と野生動物の保護である。この地球にも似た組織があるね。

そんなグルール、ギルドパクト締結前はそういった活動を行っていたが…シミックは、自分達は生命・自然の進化をもってこれを管理する存在であるとアピール。

これを受けて、セレズニアはじゃあ現状の自然は自分らが大事にするよと囲い込む。

職を失ってしまったグルールを、アゾリウスは蛮族であるとして評議会から爪弾き、ボロスは彼らを無法者だと取り締まる。職を失い、都市からも追いやられた彼らは、オルゾフに奴隷としてこき使われたりした…うっ、涙が。

 この歴史を踏まえて、《グルールのギルド魔道士》のイラストを見て欲しい。何かこう、物憂い・アンニュイな表情が際立って見えてこないだろうか。

能力の1つは《狩猟の神、ナイレア》と同じパンプアップ。このシャーマンが睨みを利かせている限りは、あいても迂闊な接触戦闘は禁物である。

もう1つの能力は、土地を2点火力にしてプレイヤーを直火焼きするというもの。どちらの能力も、マナが伸びた後半では鬼神の如き働きを見せる。リミテッドではどちらか一方のみ色があっているだけでもピックすべきクラスのカードだ。自分達を追いやった9つのギルドに、野性の力を教えてやろう。

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