2014/12/06 重力の変容 - Card of the Day -今日の1枚-

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重力の変容/Gravitational Shift

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 「シネマチック・ウィーク」、マジックも映画も大好きな僕としては書いていて楽しい一週間だった(まあどのウィークも楽しくやってるんだけど)。近々、劇場でマジックの世界観を楽しめる日が来るかもしれないという現状。制作会社は決定したので、後はプロジェクトが動くことを楽しみに待ちたいと思う今日この頃。

 このウィークのラストを飾るのはSF物では鉄板描写である、途方もなくデカい物体が飛行するシーンについて。ゴゴゴゴ、グワングワングワン、そういった音が大地を揺るがすのだが、本当にそういう現象に直面したらやっぱり「怖い」のだろうか。ジェット機が頭上を移動するだけであの迫力だもんな。某SF大作で宇宙人が都市一個分くらいの円盤でニューヨークかどっかに居座ってたけど、空を完全に遮られるってどういう経験なんだろうな。こういった、脳が思い描きもしなかった世界を見せてくれるから、映画ってのは本当に素晴らしい。

 マジックの世界では、空を覆うような超巨大艦隊というのはまだ登場していないが、超巨大飛行生物はちょくちょくその姿を見せている。中でも最大なのは、やはり「エムラクール」ではないだろうか。カードとしてのサイズ、15/15。それを裏付けるかのような、超巨大物体として描かれるイラスト。文句なしの空の覇者。そんなエムラクール、どんな感じで飛行しているのかな…と思ったら《重力の変容》のイラストを見たところ、結構速そうである。反重力で飛行しているのだろうけど、その勢い・あるいは重力変動に巻き込まれて、大地が削り取られるほどだ。こんなのに遭遇したら、頭上を通過されるだけで命を落としかねない。

 《重力の変容》は、飛行サポート兼地上妨害エンチャントだ。「エルドラージ覚醒」の頃にはもうその姿を見せなくなって来ていた、真の意味での「全体強化」を持っている珍しいカードである。即ち、条件さえ満たしていれば敵味方の区別なく強化する類のカードである。飛行生物達は弱まった重力のお蔭か、強まった反重力のおかげかはわからないけども、動きがキレッキレにでもなってその力が強まるのだろう。+2という修正値は大きいが、それもパワーのみだということを覚えておこう。同様に、地べたを這いずり回る連中は、その空間ではしがみつくのがやっととなって、パワーが-2修正されてしまう。この2点というのは大きな開きで、ダメージレース修復不能なまでの差をもたらすことになるだろう。自身の《ラガークトカゲ》がいきなり1点クロックになり、向こうの《霜風の発動者》が2ターンでこちらのライフを削り切れるバケモノに成長だなんて、ひどいジョークだ。

 前述の通り、自身の地上戦力もその「全体」弱体化に巻き込まれるため、リミテッドにおいても手放しで絶賛するようなカードではない。おもしろいカードであることは間違いないので、タワーマジックなどに仕込むのが良いんじゃないかな。《タルモゴイフ》が沈黙し、《羽ばたき飛行機械》が活躍する…そんなゲーム、遊びたいじゃないか。

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