2014/12/11 狼と梟の寓話 - Card of the Day -今日の1枚-

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狼と梟の寓話/Fable of Wolf and Owl

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名前勝ちしているカードというジャンルがある(と思っている)。もし本屋でこのイラストの表紙で「狼と梟」というタイトルの絵本が陳列されていたら、手に取る人は多いかと思う(勿論、長方形のワイド版だ)。

紅葉・枯葉がそれぞれに姿を変えているかのように見えるイラストは幻想的な美しさで、おそらく大判で印刷されたもの・あるいは原画を見ると言葉を失ってしまうだろう。

空が明るくも暗くもない、独自のエメラルドグリーン系に塗られているのも特徴的だ。これはもしかしたら青と緑両方の色が共存するハイブリッド・カラーの枠を意識してのものかもしれない。北欧なんかの絵本という感じのイラストは本当に美しくいつまで見ていても飽きない。

ここまでイラストを絶賛している《狼と梟の寓話》が今日の1枚だ。対抗色ハイブリッドをメカニズムの中心に据えた「イーブンタイド」にて登場。青緑という組み合わせはこの世界では湿った森林地帯に生息する動物の類が主要カードとなっている。

このセットはハイブリッドをそのどちらの色でも使えるカードとしながら、一方でその両方の色を使用するデッキでこそ真価を発揮するような、実質的なマルチカラー呪文として使わせようとする試みが取られている。そのメカニズムを代表するレアの1つがこのエンチャントである。

青と緑のカード両方にそれぞれトークンのオマケを与えるという、これ自身は何かするわけではないが後続を強くしていくタイプのカードである。緑の呪文には2/2の狼が、青の呪文には1/1飛行の鳥がついてくる。

これは勿論、マルチカラーだったりハイブリッドだったりでその両方の色を持つカードにはオマケをW(ダブル)でつけてくれる。《神秘の蛇》で相手の呪文を打ち消したら、2/2・2/2・1/1飛行という群れが発生することになる。これは勝負が決まってしまうレベルだ。

ただし、この手のカード全般に言えることで、それ単体では仕事をしないのに重たいカードというものは非常に使いにくいものだ。これを設置する頃には、手札に潤沢な青と緑のカードが存在するかは怪しい所だ。

これを設置して手札は空、あとはトップからの青緑呪文トップにかける!という使い方をした場合、2ターン連続でそれらを引かない限り、場合によっちゃ6マナ6/6バニラより遥かに落ちるカードとなってしまうこともある。逆に手札が潤いまくっている状態で設置出来たら勿論むちゃくちゃ強力ではあるが、これを設置する前にそれらをさっさと展開した方が良いという可能性も…。なんともジレンマを抱えた1枚だ。

1枚のカードから数え切れないほどのクリーチャーを生み出す可能性を秘めたカードであることは事実で、様々な手段で無限コンボを生み出すことが出来る。夜行バスで眠れないなんて時は、これを中心とした組み合わせを考えれば…むしろ目が冴えるか。

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