2014/12/13 Wood Elemental - Card of the Day -今日の1枚-

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Wood Elemental

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 遂にこの時が来た。この「樹の精」について書くタイミングをどこにしようか、本当に迷ったものだ。まだまだ先にとっておいても良かったのだが、インスピレーションとは大事だ。惜しみなく、書こうじゃないかウッド様。「絵本ウィーク」のシメは、伝説の《Wood Elemental》で決まりだ。

最弱のクリーチャーとは何か?その議論に間違いなく食い込んでくるのが《Wood Elemental》であり、その談義でこの方の名前が出なければそれは随分と「有情」な会だったと言ってよい。コミック調なイラストはまさに絵本に出てくる大木の精霊、森の長老といった風合いで、兵士達が槍を向けるのも理解できる。でも、ほんまに見た目だけなんですよ。この方は。むしろ、この見た目だからこそ、なのかもしれない。ビックリするくらい弱いよ!シングルシンボルの4マナ。そのサイズは、戦場に出るに際し生け贄に捧げられた「アンタップ状態の森」の数に等しい。

ここで気を付けたいのは、あくまで「アンタップ」状態であること。どうだでかくなるだろうと言わんばかりの能力を設定しているように見せかけて、4マナとアンタップの森1つを使ってやっとこさ1/1を呼び出すという所業。《さまようもの》の実質5倍のマナを注ぎ込んで同じサイズのバニラを出すということ…この事実の重さを、各自改めて認識していただきたい。一般的なサイズの《タルモゴイフ》の前に立ちはだからせたかったら、4マナとアンタップ森が5つは必要だ。一体何を言っているのか自分でもわからん。4マナで生物を呼び出すことが罪だというなら、何故あなた方は《アーナム・ジン》などを先に創ったのですか?そんな叫びさえ聞こえてきそうだ。

かわいさとちょっとホラーな雰囲気が合わさったイラストでは、兵士がやたらと槍を突き付けている。これは…過剰防衛と言わざるをえない。仮にこれらの鉄槍集団が《長槍兵》だとすると、あれは3人写ったイラストで1/1だったため、このイラストでは合計6/6くらいの集団だろうか。このウッド様を送り込んだオーナーは頑張り屋さんである。そんな頑張りを打ち砕く《長槍兵》の先制攻撃。嗚呼。

ただし、これを「歴代最弱」とまで言い切ってしまうのは、ちょっとまったと異論を挟みたくなるものだ。どんなにダメダメ性能でも、4マナと森1枚と20ターン(出たターンを含めれば21ターン)あれば人を1人殺める性能がある時点で、マシに分類されるほど、酷いクリーチャーは果たして存在するのか?今後のレビューにこうご期待。

しかしほんと、凄いカードだよ。収録されているのは「レジェンド」で、しかも再録禁止カードだ。今後一切枚数が増えることはなく、上位互換は山ほど登場しても彼自身は二度と姿を現さない。手に入れる機会があれば、是非家に連れて帰ってやって欲しい。ある日どこぞの金持ちが「ウッド様買占めよ~」とか思った暁には、大事な文化が地上から姿を消してしまうのだよ。…いや、それはそれで面白いか。

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