2015/02/21 肉裂き怪物 - Card of the Day -今日の1枚-

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肉裂き怪物/Flesh Reaver

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 自らに危害を加え、時に敗北の決定打となりうるリスキーな面々を紹介してきた「マゾ・ウィーク」もここに集結。完走できたことに喜びを隠せない。陽の目の当たらない連中ではあるが、だからこそこういう場でスポットをあててあげたい。その気持ち1つでここまで走って来れた。お付き合いいただいた皆様にも感謝の一言。最後にはマゾヒズム及びスーサイドの完成形と言えるこちら、《肉裂き怪物》を紹介しよう。コイツについて書きたいから一週間頑張ったと言っても過言ではないだろう。

 2マナ4/4、クリーチャーがどんどんと強くなっていく昨今のインフレにも見劣りしないサイズ。無条件で4/4故に、《タルモゴイフ》を越えていると言っても良い。ただし。インフレよりも遥か昔、今よりもとにかくクリーチャーが頼りないにもほどがあった時代のカードなんである。甘く考えちゃ駄目だ。強烈も強烈、大強烈なデメリットが同居しているに決まっているのだ。

この肉裂きが対戦相手およびクリーチャーにダメージを与える度に、これはあなたにも同数のダメージを与えてくるのである。フレーバー的には「強い腐食性のある煙の塊」がそのダメージ源であるようだ。この、ほぼ噛みつくために作られた生物は、その口で獲物に喰らいつき攻撃をし、飲み込んだ血肉の分だけ背中の孔から煙を吐き出す…これ即ち、糞ってことなんじゃないか?たまらん。ただ、「やることは巧みにやってくれる」と書かれていることから、こう見えてコントロールの効くファイレクシアの家畜なのかもしれない。頭頂部にチョンとついているアンテナのようなものがそれを可能にしているのかもしれない。

 自身に4点という無視できないダメージを与えてくるが、それでも2マナで4/4というのは戦力として十分。先にライフを0にしてしまえば、こちらが実害を受ける前に勝負が決する。ということで、あろうことかコイツのパワーを《よじれた実験》でさらに上昇させてガッシガシ殴っていく「ツイスト・ブラック」なんていうデッキも誕生したのだ。無骨とかそういう言葉が似合う、愛すべきデッキだ。肉を斬らせて肉を斬り、骨を断たせて骨を断つ。最近はこういう、静かな激情を携えたクリーチャーをめっきり見かけなくなったのが寂しい限りではある。

 僕個人にとっては、その強烈な見た目がマジックを始めるきっかけにもなっている特段思い入れの強いカード。何このギーガーデザインみたいな生物!?と驚いたのも懐かしいな。スタンダードリーガルの時は使い倒したし、エクステンデッドでもスーサイド・ビートダウンで愛用した。もうゲーム内で接することはなくなって久しいが、いつも心にはこの1枚がいて、その気味の悪い脚で歩き回っている。実はプレインズウォーカーを攻撃するにはノーリスクだったり、まだまだ戦えそうな気もしなくないが、まあそれは嘘かな。愛さえあれば。

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