方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/02/25

方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper

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 「冬眠ウィーク」をお送りしているが、我が家でもボチボチ冬眠から目覚めそうなものが居る。冬場はなかなか寝床から出てこない僕自身のことを指しているわけではない。カメだ。一見なんの変哲もないカメだがちょいレア、というものを飼育している。もうかれこれ10年の付き合いか。出合った時は500円玉サイズだったが、今は400ストレージくらいの大きさにまで成長した。そんなカメさんは毎年、11月頃から活動を停止して水中に留まり続ける。そこから暖かくなるまで眠り続けるのだから、毎年のイベントとはいえ毎度驚かされる(子どもの頃は冬眠する体力がないので加温して飼育していた)。そんなカメさんが近頃の気温で目を覚まして、水面から鼻先を出す姿を見るようになってきた。もう春が近いのだ。

 

 マジックの世界での「最強のカメ」を決めるならば、まずこのカードが筆頭に躍り出るとみて間違いない。《方解石のカミツキガメ》は、3マナ1/4という《角海亀》から受け継いだガッチリボディにさらに被覆を上乗せすることによって、地を這う小型生物を確実に足止めさせる便利な壁である。白・黒・赤がこれを突破するのは容易なことではない。元からサイズで勝る緑か、装備品の助け、あるいは同じ青の飛行クリーチャー群がいるならば突破も容易いかもしれない。ただ、このカメの恐ろしいところは、防御に回れないのならばと開き直って攻勢に出てくるところにある。

 

 あなたのコントロール下で土地が戦場に出る=上陸を達成すると、1/4から一転して4/1という超攻撃的スタイルへと変貌する。青いクリーチャーでかつ3マナで、この打点の高さというのは珍しい。そこに被覆が合わさっているのだから、タフネス1でもダメージやマイナス修正系の除去は全く意に介さずに攻め込むことが出来る。全体にそれらを及ぼす呪文には弱いが、逆に考えればそういった呪文にだけカウンターを合わせればよい。それにこのカードがスタンダード現役だった頃のそれに該当するカードと言えば《紅蓮地獄》であり、相手ターンであれば再び1/4という防御姿勢に戻っているためこれでは対処できなかった。相手にすればかなりたちの悪い、難敵と呼ぶに相応しい存在であった。当時多くのプロプレイヤーがこのカードを高く評価しており、『ワールドウェイク』のパワーを満天下に示す形となった。

 

 方解石というのは鉱石で言えば石灰石・石材で言えば大理石にあたる石であり、炭酸カルシウムの塊のことである。その昔、羅針盤がない時代にこれを用いて雨天や曇りでも太陽の方角を調べていたそうだ。「方角」が「解る」石ってことだろうね。カミツキガメはアメリカ大陸に生息するカメの仲間で、クチバシが1つの特徴である。フロリダや中南米などの暖かい地域に住む種が多いが、北米に分布するものは日本の冬を冬眠で凌ぐことが出来るようで、日本の野に放たれた個体が生態系を乱して問題になり、国内で一般的には飼育できなくなった。最近はこれらの個体が捕獲されたというニュースも聴かなくなり、悲しい存在と化してしまったカメが一頭でも少なくなっているようなのでホッとしている次第である。


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