漆黒の刃の死神/Ebonblade Reaper

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/02/20

漆黒の刃の死神/Ebonblade Reaper

漆黒の刃の死神/Ebonblade Reaper

漆黒の刃の死神/Ebonblade Reaper

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 強いヤツは守らない。何故なら攻めに回って叩き潰すことが出来るから。自身の力が相手を上回っているのならば、わざわざそれから身を護る必要がなくなる。だから神の強者は護身術など学ばない。そんな記述を漫画か何かで目にした記憶がある。古今東西、強者として描かれるキャラクターはたおやかに余裕を持った立ち姿で描かれることが多い。「貴様らが私にかなうはずがない」と言いながらガチガチにガードを構えているシーンなんか見たことないが、もしあったら再来週にはそいつ負けてるね。

 

 マジックでも、時折このイズムを体現したような1枚が顔を見せる。捻じ伏せてしまえば防御なんて考えなくていい、そんなパワーカード_この場合は、一般的に言うそれではなく、力のみを追求したカードの意_の数々。それらの中のいくつかは成功し、大半は「何それ?」と言われる枠を担当することになる。《漆黒の刃の死神》なんてその筆頭だ。

 

 何よりも名前がスゴイ。「漆黒の」「刃の」「死神」。ファンタジーを愛する心にグッとくるフレーズの集合体、所謂「中2病」ぼ権化めいた存在である。そしてその正体は...人間?クレリック?「Reaper」は今でこそ「刈り取るもの」といった風に訳されている。「Reap」が持つ「刈り取る」「収穫」といった意味を重視しての訳だと思われるが、このカードに関しては同単語を「死神」と訳している。死神とは、農工具である鎌を手に生者の魂を刈りに来るものである。《漆黒の刃の死神》は漆黒の刃=短い鎌を手にしており、その肌や眼は冷血を体現するような色。人間とは言え、まさしく死神と呼ぶに相応しい風貌ではないか。

 

 カードとしては3マナ1/1と割とどうしようもない戦闘力。ただし、もし対戦相手に戦闘ダメージを与えることに成功すれば、その鎌の邪気が犠牲者のライフを半分ももぎとってしまう。ライフがフルだったとしても、これに殴られれば一気に9点に。まさしく死神の一撃だが、そうもオイシイ話が転がっている訳もなく、これが攻撃すると同時にそのコントローラーもライフを半分持っていかれてしまう。お前の物は俺の物、ならぬ俺の苦痛はお前の苦痛。なんともはた迷惑な存在であるが、そう開き直って使用するにもスペックの低さは気になってしまう。一番悲惨なのは、ライフを半分失ってから除去を撃たれること。一体何がしたかったのかわからなくなってしまう。そんなことも加味して、しっかりと変異を持っている。ただの2/2と思ったら大間違い、うっかり通すと悲惨なことになったり。

 

 ただこの手のカードの宿命として、通ったからと言って決して「一撃必殺」という訳ではない。《傷の反射》などによるサポートを添えてやる必要がある。あるいは、先制攻撃を与えて横に並ぶ他のアタッカーで半分に減少したライフを削るなど。書いてて(皆さんは読んでいて)気付くが、要するに「オーバーキル」なのだ。

 

 《死に微笑むもの、アリーシャ》で釣り上げる候補の1つにするのは面白いかもね。《残虐の達人》に続く第2候補にでもどうぞ。


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