2015/03/05 ヘルカイトの雛 - Card of the Day -今日の1枚-

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ヘルカイトの雛/Hellkite Hatchling

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 どんな巨大生物にだって、赤子の時期がある。その時点で既にめちゃくちゃデカい、ゾウやクジラのような連中も居るが、彼らだって見るからに赤ちゃんであることがわかる。頭部が大きく、ずんぐりして丸っこい体型…カワイイという気持ちを呼び起こすシルエットをしているものだ。

 それはドラゴン__ヘルカイトにおいてもかわらない。大木のような四肢、空を覆い尽くす翼、闘争の具現化とも言える頭部、そのいずれもを、生まれつき持っている訳ではない。最大最強の捕食者も生まれてからしばらくは巣で過ごすようだ。

《ヘルカイトの雛》というカードの存在がそれを立証している。そこに描かれているのは、身体との境目がわからないほどに大きな頭部を持った、ヒキガエルのようなシルエットを持つ雛が、崖の切っ先に設けられた巣で親を待つ姿だ。

 マルチカラーの4マナ2/2と、雛の名に相応しい心許ないサイズではあるが、雛だからこその能力を有している。「貪食」というジャンドに割り振られた能力は、これを持つクリーチャーが戦場に出る際に、自身の他のクリーチャーをその餌として差し出し、生け贄に捧げられたクリーチャー1体につき設定された数字の分だけ+1/+1カウンターを置くというもの。

食えば食うほど強くなる、弱肉強食以外の理を持たないジャンドらしい能力である。この雛は、雛らしく設定された数字は最小の1ではあるが、餌を喰らうことでヘルカイトとしての血を目覚めさせる。

イラストでも描かれている、小さな頼りない翼が、宙を舞うのに十分なサイズへと成長して飛行を得、ますます増した食欲がトランプルを授ける。4マナ3/3飛行トランプルならなかなか。4/4、5/5、6/6とサイズが上がればそれだけ強力なのは言うまでもない。

 ジャンドには、喰われることを前提としたクリーチャーが数多く生息している。《芽吹くトリナクス》をはじめとするそれらのクリーチャーを餌とすることで、アドバンテージを失うことなく航空戦力が得られる。

構築では単体であまりにもパワーが低すぎるため採用しづらいが、リミテッドならばなかなかにパワフル。全力で餌を食わせて、除去がなければ勝ち、みたいなお願いムーブも案外決まったりする。賭けに出るときは出なきゃね。

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