2015/04/09 疲労困憊 - Card of the Day -今日の1枚-

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疲労困憊/Exhaustion

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一週間の疲れのピークはここにくる、木曜日。魂が試される日。おそらく世界中の多くの方が、木曜日にパワー/タフネスにマイナス修正を受けてるんじゃないかな。土日が休みの人は、金曜日に安らぎが訪れる。これを乗り切れば…ってなもんである。だからこそ、木曜日は難敵なのだ。大抵のゲームで、ラスボスよりもその直前くらいが苦痛なように…昔のゲームってステージ2のボスがやたら強いことなかった?まあ、脱線しちゃうので今度酒でも飲みながら話そう。

《疲労困憊》ド直球なカード名。僕はこのカードのお蔭で困憊という漢字を覚えることが出来た(書いたことはない)。カード名とその効果が直結するカードは強いカードが多いと個人的には思っていて、このカードもその例に漏れない。文字通り、対戦相手のクリーチャーとそれを取り巻く自然環境=土地が疲弊してアンタップしなくなる、というソーサリーである。クリーチャーと土地がまとめて封じられるということは、攻撃やマナを用いた展開が出来なくなってしまう。マジックで自ターンで行うアクションと言えば、基本的にはこの2つだ。これを封じられる…ということは、1ターン飛ばされたのと同義のデッキも多く…というか、ほとんどのデッキがそうだ。1マナで十分に動けたりそもそも構えて何もしてこないデッキには効果がないが、リミテッドなんかだと勝負を決める1枚足り得る。

3マナの《Timewalk》亜種、と言っても、このカード自身に土地とクリーチャーをタップするという効果は全くないので、既にそれらがタップしている状況をお膳立てしてやる必要がある。まあ、緑や赤なんかが相手だと往々にして全力投球をしてくるものなので、それを1ターン封じることが出来るだけでも悪くない。《転換》などがあれば、そういった相手以外にも効果を発揮し、《疲労困憊》を回収して連打すればロック状態に持ち込むことが出来てしまうのだ。これを狙ったデッキが「エターナルブルー」ロック呪文や追加ターン呪文を撃ちまくって、相手にターンをくれてやらない。邪悪そのものなデッキでんな。

初登場は『ポータル』。ここでは、日本語訳が現在と異なっており〈消耗〉と書かれていた。『ウルザズ・サーガ』再録時は《疲労困憊》と書かれており、ここに日本語版だけを見ると効果が同じな「同型再版」なカードが誕生してしまったわけだ。当時はポータル系のカードと通常のエキスパンション・セットがクロスオーバーすることなどまずなかったのだが、問題なのはスタンダードとか、そういう概念にとらわれない形でマジックを楽しんでいた、全国の僕らのような少年に起きていた(と、思う)。当時から《蠢く骸骨》と《卑しき死者》のように、カード名が違うだけで全く同じテキストを持つ同型再版の概念を理解していた僕らは、これらが別の物であると理解した。友人は、シングルが中学生でも買えるくらい安かったこともあって、8枚体制にしたそれこそ「エターナルブルー」のようなデッキを作製。これはビートダウン・ユーザーである我々に対する挑戦であった…《疲労困憊》!《消耗》!《疲労困憊》!《復習》!《疲労困憊》!地獄やん…。ただ、ある日マジック・エンサイクロペディアを眺めていてにっくき〈消耗〉の英名が《疲労困憊》と同一のものであると気付いた。これは、我々非青デッキが立ち上がるための革命的発見であった…完。

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