2015/04/16 無謀突進のサイクロプス - Card of the Day -今日の1枚-

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無謀突進のサイクロプス/Madrush Cyclops

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 キュクロプスとは、天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子3兄弟である。彼らはいずれも、「単眼の巨人」であった。彼らは兄弟族である複数の腕を持った巨人・ヘカトンケイル達と共に父であるウラノスに嫌われ、奈落へと落とされた。そこで久しく拘禁されていたが、後にゼウスらによって解放される。キュクロプス兄弟はいずれも雷に基づいた名前を与えられており、雷の精であったともされている。彼らは鍛冶としての能力も有しており、ゼウスらにお礼として装備品を造ったり雷を与えたりしたのだった。その後もゼウスの息子の元で鍛冶に励んだが、ゼウスの稲妻により息子を失ったアポロンの報復により虐殺されてしまったという。

 「オデュッセイア」にて登場するキュクロプスは、単眼の巨人ではあるが上述のような神ではなくただのバケモノ。人を襲って食べる怪物だ。ポセイドンの子、ポリュペーモスが代表的な存在だ。彼らは喋ったり酒を飲んだりもする人間らしい一面も持っている。

 某ヒーローコミックの影響もあって、「サイクロプス」という単語は日本では広く知れ渡っている方だ。そんな単眼の巨人にも、このように2つの側面が存在する。ではマジックにおけるサイクロプスはと言うと、皆さんご存知のように後者だ。それも、多くは骨格からして人類とは大きく異なったフォルムを持っている。

 サイクロプスは現時点で19体存在し、そのうち17体が赤い。ミノタウルスや巨人と同様に、赤の中型~大型クリーチャーの役割を与えられている。いずれも粗暴な、筋肉質の巨体を誇る蛮族的出で立ちで描かれている(《ニヴィックスのサイクロプス》は特殊)。その中でも一際目立つ存在が、唯一の3色サイクロプス《無謀突進のサイクロプス》だ。

 4マナ3/4、3色ならパワー4欲しいと思ってしまうが、能力が強力なので我儘は言えない。全ての自軍クリーチャーに速攻を付与、《熱情》内臓というわけだ。《熱情》のマナコストを考えると、緑か黒の1マナで3/4クリーチャーを出している計算となる。お得感満載、《熱情》がそもそもコスパ悪いとか言わないように。

 イラストにも見て取れるように粗そうで悪そう。ジャンドという、ドラゴンを頂点に据えた弱肉強食の世界で生きている怪物だ。凶暴かつ残忍なことだろう…が、味方に速攻つけるってなんか優しいな。速攻というのも稲妻を想起させ、どことなく神話に描かれたサイクロプス感を漂わせているのがなんとも好きなんだよなぁ。

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