苦悶のねじれ/Agony Warp

タグ:, , , , , , , ,

Card of the Day -今日の1枚- 2015/04/22

苦悶のねじれ/Agony Warp

苦悶のねじれ/Agony Warp

苦悶のねじれ/Agony Warp

今日の1枚のこのカードの購入ページはこちら
 

 コモンの除去カードのデザインって、ものすごく難しいものの1つだと思う。ここでのさじ加減1つで、ゲームがムチャクチャしんどいものになったり、ぬる過ぎてダレたものになってしまう可能性がある。除去は強すぎても、弱すぎても駄目だ。適度に優秀で、堅実にカード1枚分の仕事を果たしてほしい。その昔は、コモン除去が強すぎたイメージがある。《稲妻》と《破滅の刃》の両方がコモンだった「基本セット2010」「2011」はシビアな世界だった記憶がある(その分、《戦隊の鷹》なんかもいて生物もまあまあ強かった記憶も)。

 

 基本セットならまだしも、各々の色を放つエキスパンションでのコモン除去も、本当に扱いが難しいだろう。くどい程にセットの持つメカニズムを押し出してしまうと、コストがかさばったり癖が強くなりすぎて使い物にならなくなることも少なくない。たしかに、僕らは長くこのゲームに携わって多くのカードを見てきた。故に、ありふれたテキストよりも新たな刺激を求めてしまう。求めるが、それが自分に扱いこなせない暴れ馬だった場合には文句を言う。マジックプレイヤーとは、贅沢言いなのだ。

 

 そんな難しい注文にも応えることが出来るカードが時折姿を現す。そんな時って気持ちがいいものだ。《苦悶のねじれ》なんかは、そんな強すぎず最低限度以上の働きをし、使いやすくてセットのメカニズムも盛り込んである、という完璧超人とも言える1枚。ほめ過ぎにも見えるが、褒めていいでしょこのカードは。

 

 青黒の2マナのインスタント、この色の組み合わせは『アラーラの断片』の舞台およびメカニズムの1つである青黒赤のマナからなる「グリクシス」に属するカードにして、同じく青と黒を扱える白青黒の断片「エスパー」でも用いることが出来る便利なコンビネーションだ。これが赤青のカードだったりしたら、グリクシスでしか扱えないものとなっていた。絶妙に使いやすい色の組み合わせにしつつも、1つの世界観を強く主張する。良いデザインだね!このインスタントは、―3/―3修正を分割して与えることが出来る。パワーとタフネス、それぞれを-3させる独立した効果を持っている。これを合わせて1体のクリーチャーを―3/―3しても良し、2体のクリーチャーによる攻撃を1体はタフネス修正で除去、もう1体はパワー修正でノーダメージ、なんて具合に捌いても良い。この分割修正に、こちらのブロッカーが絡んだりすると1枚のカードで2体のクリーチャーを捌けたりするんだから、こりゃ強いよ。特に「フェアリー」にて、《苦花》トークンとあわせた日にはお手軽盤面お掃除マシーンだったものだ。

 

 勿論、サイズが大きなクリーチャーには確定除去として力不足だったり、2色故にプロテクションに引っかかりやすかったりと、程よい弱点も用意されている。これぐらいのカードがコモンにあると、嬉しいねェ。


Card of the Day 過去のカード一覧(2015.11.19~)