2015/05/28 罪+罰 - Card of the Day -今日の1枚-

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罪+罰/Crime+Punishment

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「罪と罰」は誰しも一度は耳にしたことがあるタイトルだと思うが、実際にそれを手に取ってじっくり読んでみた、という方はその内の数パーセントに過ぎないだろう。

ロシアの後記五大長編小説の1つであり、この前置きだけでずっしり来て我々のような初心者には…と敬遠してしまうものだ。ドストエフスキーの、普遍的かつ哲学的な題材を描いた、実存主義的考えが垣間見えるたらなんたら…難しい!僕にはこの小説の内容は語れないけど、マジックの《罪》と《罰》についてなら書けるよ!

 《罪》は《ゾンビ化》などのリアニメイト呪文の超変化球版。対戦相手の墓地限定という、リアニ呪文のメインの使い道である自分の墓地に強力クリーチャーを埋めて釣り上げるというムーブは出来ないが、その代わりにクリーチャーでなくエンチャントまで奪うことが出来るという対象範囲を広げた1枚となっている。

手札破壊、あるいは除去で相手のクリーチャー・エンチャントを落としてからの使用が前提になっているが、これは白黒のデッキなら容易く行えるので簡単にお膳立てすることが出来るだろう。他者の墓から利得を得る、これほどの罪深いソーサリーがあろうか。

 《罰》は《破滅的な行為》の亜種だ。厳密に言うと、《火薬樽》《仕組まれた爆薬》がソーサリーになった、というところだろう。Xマナのエンチャント・アーティファクト・クリーチャーを破壊。

リセット、とまで言うには範囲が狭められているので力不足に感じるが、優秀な全体除去の1つである。特に、トークンやアーティファクト土地などを緑黒2マナのみで薙ぎ払えるのは悪くない。同一のマナコストのパーマネントを複数並べてきた、という相手の行為を罰する、無慈悲なソーサリーだ。

 そしてこれらのカードは、1枚の紙面に共存する。そこが最大のポイントやね。それぞれが独立したカードとしての仕事をこなせるものでありながら、所謂“モード呪文”としてそれぞれの場面にあった起用が出来ると。ただ、マナコストがマルチカラーでかつ重めである点には注意が必要だ。

悪用されないように、なかなか絶妙な調整が為されているのも、これらの“マルチ分割呪文”サイクルの良い点だ。このサイクルは、全て繋げると1つの慣用句になる英単語のカード名を与えられているのだが、この《罪/罰》のみ、実在する作品名が充てられている。というわけで、やっぱりこのカードのデザインとかを語る上では「罪と罰」、読んだ方が良かったりするのかなぁ気が重いなぁ…。

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