ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/05/15

ゴブリンの投火師/Goblin Fireslinger

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「ティム」というマジック用語が存在する。...が、最近はこれにあたるものがセットに収録されることが無くなってきたので、特にここ1、2年でマジックを始めた方には馴染みのない言葉だろう。

 

ティムというのは、「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」というコメディ映画に登場する妖術師ティムが語源である。ティムは、指差した先を爆発させる魔法を用いる。このティムの風貌が、《放蕩魔術師》に似ていること・そして同カードの能力が狙った所に1点を飛ばすものということで、この映画のティムを髣髴とさせる=ティムという愛称が広まり、その後同様にタップすることで対象にダメージを与えるカードの類をティムと呼ぶようになったのだ。

 

ちなみに、個人的には映画のティムと《放蕩魔術師》は「別に似てもいない」と思うのだが、細かいことはよしとしよう。

 

ティムは『アルファ』からしばらくは青の能力であったが、マジックのデザインが洗練され、それぞれの色の役割が明確になってくるに従って本来直接ダメージを与える色である赤へと受け継がれることとなった。これはプレイヤーにとっても暗黙の了解であったが、『次元の混乱』にて遂に赤い《放蕩魔術師》こと《放蕩紅蓮術士》が登場し、正式にバトンタッチが行われた。

 

ただ、赤に引き継がれて以降、それまでコモンにちょくちょく存在していたティムはアンコモンに昇格したり、そもそも収録されないエキスパンションがあったりとひっそりとその数を減らしている。

 

これは、グランプリやプロツアーなどの競技イベントでリミテッドがプレイされる機会が増え、これまで以上に環境に配慮してカードが作られているからだろう。コモンで1点を飛ばすクリーチャーがいるならば、その他のタフネス1のクリーチャーの存在価値というものがほぼなくなってしまうからだ。

 

ティムの説明だけで800文字近く書いてしまったが、本題に入ろう。《ゴブリンの投火師》はモダマス再録カードの中で僕が好きなものランキング第6位!これは本当に良いカードだ。

 

1マナ1/1のゴブリンで、タップするとプレイヤー本体へ1点ダメージを飛ばすことの出来る起動型能力を有している。これは所謂ティムの亜種だ。1マナという最軽量にして、対戦相手にどれだけブロッカーがいようとも己に与えられた使命「1点のダメージを与える」という仕事をきっちりと全うする。

 

このカードを初めて見た時の感想は「プロフェッショナルだな」と。そしてリミテッドで使ってみて、「ほんまもんのプロフェッショナルだな」と。1ターン目に出てきて、堅実にヒットを打っていく様。また、自身のヒットで"狂喜"持ちに確実に繋げることが出来、デッキの1番バッターとして素晴らしい働きを見せたものだ。

 

リミテッドのみならず、当時のスタンダードでもゴブリンデッキの一番手として堅実な働きを見せていたのを覚えている。フレイバーは、決勝ラウンドまで頑張って勝ち上がってきたのに、赤単にブン回られて負け、そんな経験をしたことがあるプレイヤーには納得の一言である。


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