不敬の命令/Profane Command

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/05/20

不敬の命令/Profane Command

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前回、《神秘の蛇》より続き。僕らプレイヤーは皆、贅沢だ。カードにカード2枚分の働きを求める。まあ、当然と言えば当然だ。3枚分の働きを求めないのは、それがあまりにも現実離れしているからだ。2枚分くらいなら許してもらえるし、1.5枚くらいならちょくちょくあるのが現実。スタンダードのデッキなんかは、そういうカードの集合体と言っても良いだろう。

 

それとは逆に...あるケースではカード1枚分の働きもせずに腐ってしまう、そういうカードはあまり好まれない傾向にある。サイドボードという存在があるのに、メインから《霧裂きのハイドラ》は尖り過ぎだとか、そういう話。もっと言えばクリーチャー対策20枚ぶっこんだデッキなんてなしだろうと。

 

メインは「丸い」カードがこのまれる傾向にある。どんな状況でも、カードとして機能してくれる1枚だ。マジックでは、テキスト自体が状況によって様々に解釈できたりする漫画のようなことはないので、そもそも呪文に複数の効果を与えてその中から1つを選ぶ、という"モード呪文"でこのニーズに応えている。"魔除け"が最も数が多くて有名だろう。大抵は3つの中から1つを選ぶ、という選択肢を提案してくる。大方のプレインズウォーカーもモード呪文の一種と言えるだろう。

 

このモード呪文の親玉が、突如として『ローウィン』にて登場した。4つのモードから2つを選ぶ、まさかの丸くて2枚分の働きをするカードが登場だ。その名も"命令"。今回はその中から黒の《不敬の命令》を紹介しよう。何を隠そう、モダマス2015に再録された中で好きなランキング2位なのである。

 

この命令サイクルは、珍しくコストに統一性が全くない。そもそもインスタントとソーサリーにもわかれているしね。そして中でも《不敬の命令》は唯一のX呪文である。こういう、カッチリとした枠に囚われていないサイクルというのも良いものだ。

 

過去には『レジェンド』のエルダードラゴンのように全種類同一のマナコスト、というのがサイクルの基本ではあったが、より柔軟に、カードにあったコスト・効果が設定されているというのが現代のサイクルだと思う。

 

選べるモードはXライフルーズ、-X/-X、マナコストX以下リアニ、X体に畏怖、の4つから2つ。同じカードなのに、モードの組み合わせで超攻撃的になったり鉄壁の防御を誇ったりする。3点ルーズ3体畏怖は15点ぐらいのライフなんざ一撃で屠ってしまえるだろうし、-2/-2で《傲慢な完全者》を除去しつつ《レンの地の克服者》を釣り上げるなんて護身完成じゃないか。

 

当時のリミテッドでは最強のカードとして、よく挙げられていたものだ。除去呪文だけども隙あらば勝負を決めてくるなんて...ということで、構築でも「緑黒エルフ」のフィニッシュを担当していたものだ。

 

モダマス2015はマナブーストがコモンに多数用意されている。相手が黒い場合、これが入っていることを想定して戦わざるを得ない状況もあるだろう。まあ、往々にしてわかっていてもよけられないんだけどね。必殺とはまさにこのカードのためにある言葉よ。


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