2015/06/18 Misfortune - Card of the Day -今日の1枚-

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Misfortune

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メタルのアルバムジャケットあるある、「何が起きてるのかわからない」。部分部分はわかるけど、結局何が起きているのかよくわからないカオスなシーンを切り取ったアートの数々。それらが集まることで、CDショップの一角に異様なコーナーが出来上がっていることは皆さんもご存知なことかと思う。 あれはもう、一種の聖域。結界的な何かだ。特に輸入もののマイナーバンドのグロテスクで混沌としたジャケが並ぶワゴンがある店なんかは心が躍る。カードショップでも、『アイスエイジ』やオールドエキスパンションのシングルが雑多に並んだストレージが集められた... 所謂「漁り場」があると思わず足を止めてしまうプレイヤーは少なくないだろう。古き良きイラストのカード達をかき分け掘り出し物を探す時間、愉悦である。メタル=マジックの方式がここでも成立してしまった。 数あるメタル感溢れるマジックのカードイラストの中でも、やはり御大・Ron Spencer氏の作品は格別だ。氏の作品は肉・血・死で溢れ、そして状況が分からない。なんかが暴れて誰かが死んで、それはわかるけどだからここは何処で何をしてるのか、そういう疑問というか、イメージの拡散を促す。最高である。 正直「Metal Week」なんて全部氏のカードを紹介してれば終わったりする。今回はブレーキベタ踏みで、とりあえず1枚。特に80年代ジャケっぽさが溢れる《Misfortune》。原画がどれほどの色鮮やかさかは不明だが、『アライアンス』特有のくすんだ・粗めの印刷をされているのが、メタル感を加速させている。 結果、いい味になっていたりする。ただ、『コールドスナップ』構築済み発売時に新規印刷されたカードはどれも鮮やかな姿を披露しており、言うなればHDリマスター。なので、このカードのイラストも綺麗なのが見たいな...って、悲しいことに再録禁止カードなんだなこれが。ショック極まる。 カードとしては、もう直球で言ってしまえば非常に使いにくい。『アライアンス』の2つのサイクルに属している。1つは、ご覧の通り3色のレアサイクル。そしてもう1つは、2つのモードから対戦相手が選んだ効果を発揮する呪文のサイクルだ。 もう、お分かりの通り。3色という高いハードルを_当時は『アイスエイジ』で登場したダメージランドくらいしか特殊土地がないからなおさら_クリアして、ようやく唱えた呪文のモードを相手が選ぶ...しかも、そのモードが ・あなたの全クリーチャーに+1/+1カウンターを1個置き、あなたは4点回復 ・対戦相手の全クリーチャー-1/-1カウンターを1個置き、対戦相手に4点ダメージ これね。効果が対局なのは良い、デザインとして面白い。ただ...対戦相手の戦場にクリーチャーがおらず、ライフに余裕があれば後者を選ばれるだろう。こちらの戦場にクリーチャーがいないなら、迷わず前者だ。 結局、これを有効に用いるには、「対戦相手の残りライフが4点以下で、こちらに複数のクリーチャーが並んでいる」というお膳立てをしなければならない。いくらなんでも酷い!「対戦相手に選択肢があるカードは弱い」を地で行く弱さだ。このカードの名前は、「不運」。呪文の効果と言うよりは、このカードの境遇を表わしているように思うぞ。でも、イラストは最高だ。

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