2015/06/19 Living Wall - Card of the Day -今日の1枚-

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Living Wall

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メタルはグロだ。血液・内臓・謎の汁。蛆虫・死体・ゾンビの群れ...全部が全部そうじゃない、全く関係なく美しい愛を歌う曲もある。ただ逆に、こっち系の曲はとことんこっち系。薬にもならず毒でしかない歌詞とサウンド。めちゃくちゃ爽やかな歌声と疾走感溢れるかっこいいサウンドなのに、アルバムジャケットがただただグロテスクということも多々ある。 最近では割とスタイリッシュな方向でまとまってきているが、時代に逆行してエゲツなく汚らわしいアートワークにこだわるバンドもあって、それらを眺めているだけでも面白い。マジックのアートワークは...近年、プレイヤー人口が大いに増えたため、多くの人に受け入れられるよう、カード達も何れもスタイリッシュなイラストを持つようになった。 POPSというやつだ。その黎明期には、確実にHard RockでHeavy Metalなイラストが存在していたというのに...。  数あるメタラー向けグロイラストの中でも、群を抜いている1枚がこの《Living Wall》。いろいろと、よくわからん。肉片がドゥルルルっと、見れば見るほど気持ち悪く、汚い。これほどまでに肉で、名前も「生ける壁」なのに、純粋なアーティファクトって?どう見ても黒だろうよこれは。  4マナ0/6防衛、そして1マナで再生。ディフェンス馬鹿一代、そんな後ろ寄りの1枚である。『アルファ』で登場した際には、実はこれを排除する手段はほとんどなかった。《恐怖》で死ぬことの無いこの壁が、飛行という能力の価値を高めていた、と言っても良い(かもしれない)。 クリーチャーインフレが進む昨今、黎明期のクリーチャーはとてもじゃないが使い物にならないものが圧倒的多数ではあるが、この壁は今存在してもリミテッドならばそこそこ役に立ちそうに見える。まあそれでも、壁よりは殴りに行けるものを優先するべきだが。  とにかく悪趣味グロテスクなイラスト、フレイバーテキストには...これまた、まるでデスメタルやブラックメタルの歌詞かのような、暗黒の魔術をについてつづられたその内容は悍ましいとしか言いようのないものだ。 「Some fiendish mage had created a horrifying wall of living flesh, patched together from a jumble of still-recognizable body parts. As we sought to hew our way through it, some unknown power healed the gaping wounds we cut, denying us passage.」 このあまりにもグロテスクに傾倒したカードが、おそらくこのカードゲームを国際化して行くうえで足を引っ張る存在になる、との判断で『第4版』には収録されず。当然と言えば当然だが、残念ではある。再録禁止という訳ではないので、ある日ひょっこりと新枠で還ってくる可能性もある。パックを剥いてこれが出たら一瞬時が止まってしまいそうだ。

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