鉄の処女/Iron Maiden

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/06/20

鉄の処女/Iron Maiden

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「Metal Week Vol.3」も遂に最終日。2年間頑張ったということで、ただただ好きなものを書くということが出来る一週間を勝ち取った(と、自分で勝手に設定しているだけでなんてことはない、毎回自由だ)。メタルの話をする上で、避けられないカードを今週のラストに持ってこさせてもらった。《鉄の処女》。英名で行ってみよう。アイアン・メイデン。アイアン・メイデンだ。ヘビーメタルの象徴である。メタルが分からない人でも、その語感の良さと印象深いアルバム・アートワークを目にしたことがあるだろう。Tシャツも人気やね。

 

そんな世界的バンドと同名のこのカード、そもそもアイアン・メイデン/鉄の処女とは何なのか。その正体は、イラストに描かれているこの物体...中世の拷問器具...と、言われているものである。実際にこれが使用されたかどうかは、実は怪しいと言われているのだ。ともかく、どういう道具かというと、金属製の人が1人入るくらいの大きさの聖母マリアを象った人形、みたいなものである。前面部がイラストのようにパカッと開いて、内側には刃がズラリ。この中に人を押しこみ、蓋を閉めると...ダラリダラリと血が滴ってくるわけだ。この刃は一刺しで絶命するようなものではなく、動くと身を斬られる、そんな具合に調整されているらしい。この中に入れられたいのか!と囚人を脅すのにはなかなか効果的なビジュアルではないか。

 

そんな拷問・あるいは処刑なんかに使われたという伝説が残る《鉄の処女》。マジックの世界では、拷問器具はプレイヤーに直接ダメージを与えるアーティファクトとしてカード化されている。この1枚も御多分に漏れず、対戦相手を痛めつける恐怖のアイテム...なのだが、ややマイルドなデザインになっている。各対戦相手のアップキープの開始時に、彼らの手札-4点のダメージを与える。つまり、これは手札をワンサカ抱えるタイプのデッキに対しての対抗手段。常に上限いっぱい7枚握っていたいとドローを連打するデッキには、毎ターン3点喰らってもらうよというお咎めマシーン。逆に、相手の手札が4枚以下になればダメージは発生せず。ほとんどのデッキに対して、効果があるのは最序盤のみということになる。しかし、3マナという決して軽くはないマナコストのため、これを設置した返しには相手の手札は4枚を切ってるんじゃないかと。そのため、使われることはほぼなかった。

 

このカードは、拷問器具シリーズの元祖にして最強最悪の名をほしいままにした《黒の万力》のリメイクである。万力は1マナという軽さで先手1ターン目に置けば3点確定の破壊兵器であった。《鉄の処女》はその射程を対戦相手全員に拡げたかわりに、3マナという危険性の薄れたマナに設定された。「万力は本当にすまなかった」という、懺悔的意味合いのある1枚、なのかもしれない。

 

Metal Weekのトリ、ヘッドライナーを飾るのに相応しい1枚だった。ちなみに僕が好きなメイデンの曲は「誇り高き戦い」「撃墜王の孤独」です。Stay Metal!


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