2015/08/27 シディシのペット - Card of the Day -今日の1枚-

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シディシのペット/Sidisi's Pet

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 前回存分に語った《凶暴なゴリラ》というカードは、アジアな世界観を破壊するために『タルキール覇王譚』に入ることはなかった。これはデザイナー達も泣く泣くのことだったのだろう、とゴリラー(ゴリラを愛する人の意)である僕は妄想している。せっかく緑青黒という色が合うスゥルタイがフィーチャーされるのだから...と残念に思っていたら、全く別のサルたちがスゥルタイのカードとして登場。久々の類人猿カードに歓喜したのももう1年近く前の話で、年月はあっという間に流れゆくものだなと。今日はそんな類人猿カードの最新のものから1枚、《シディシのペット》をご紹介。

 久方ぶりに"変異"という能力が還ってくるとのことで、『タルキール覇王譚』発売前には期待半分/不安半分な分割カード的心情だった。何せ、かつての変異にあまり良い思い出が無くて...『オンスロート』を体験した世代なら、わかるんじゃないだろうか。どいつもこいつも、弱い。《賛美されし天使》という当時の最強クリーチャーを輩出していたりするものの、他はどれもこれも変異で出すメリットがなく、かつ素出ししようとするとマナコストに見合わない性能と、割とどうしようもなかった。めちゃくちゃ重いクリーチャーをとりあえず3マナ2/2の正体不明なカードとして運用できる、というコンセプト自体は面白いんだが...というね。それから時を越えて、途中『時のらせん』で数枚リバイバルを挟んでのタルキール。これが...良くなっていたんですよ。特に、リミテッドにおける変異がめちゃくちゃ面白い。それこそ旧変異勢のような7マナのクリーチャーから、変異コストの方が高くつく2マナのカードなんかもあったりして...それらを変異で出すということの意味がとても大きく、このドラフトにはのめり込んで珍しくMOでも100回ほど遊んだものだ。

 《シディシのペット》も変異クリーチャーにしてマナコストは4と、一見変異があまり意味を持たないスペックなのだが...3マナ2/2として・4マナ1/4絆魂として、どちらで戦場に出すか、その意味が大きく違うカードね。基本的には変異で出すんだけども、3ターン目に出した変異クリーチャーは概ね5ターン目に5マナで表向きにして殴るカード。その3と5の間を埋める4マナのアクションっていうのには意味があった。相手の変異や2マナ2/2の連中が殴ってくるが変異は5ターン目に活かしたいのでブロッカーに回したくない、なんて時には4ターン目素出ししたり。あるいは3ターン目これを変異で出して、4ターン目2マナアクションしつつ相手の変異アタックを受けとめ表に...といった具合に。決して強いカードではなく、良いピックが出来た時はデッキに入らないこともしばしば。が、強くなくてもプレイアブルなカードではあり、穴を埋めることが出来る。全てのカードに出番がある、ということがドラフト好きには嬉しいんだよなぁ。

 しかしヒヒのゾンビを飼うとは、シディシ様も良い趣味をしている。爬虫類に飼われる類人猿...なんかワクワクしないかい?

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