2015/09/12 世界喰らいのドラゴン - Card of the Day -今日の1枚-

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世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon

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 何かを食うカードばかりを紹介してきた「食らうものウィーク」。生きて何かを食らうクリーチャー達が勢ぞろいした一週間だったが、今日の1枚に言わせればどれもこれも甘い。量も質も、これに勝るものはない。そういうグルメな物を食するのが...《世界喰らいのドラゴン》。そう、世界を喰らうのだ。

 世界を喰らう...世界とは。我々を取り巻く環境、土地に建造物に構築物に他者に生物に...そういった一切合財、己以外の全て。全力で喰らう。このカードは、今週紹介した《土を喰うもの》と同じくナイトメア。具現化された悪夢は、それが覚めるまで何かを奪う。『トーメント』にて登場した《土を喰うもの》は土地を、《顔なしの解体者》はクリーチャーを。これらは対戦相手のものを奪う妨害タイプだ。一方で、『ジャッジメント』にて登場したナイトメアはと言うと...これを呼び出した自身のものを奪い去るのだ。それらを代償に、コスト比で見た強力なクリーチャーを提供するというカード群である。で、それら後期型ナイトメアの親玉が《世界喰らいのドラゴン》。ナイトメア単独から、様々なクリーチャータイプを併せ持つようになった後期型ナイトメアの中でも、ドラゴンは別格。ファンタジー世界でも大食漢のイメージがあるドラゴンが悪夢の力を受けてそれを増幅させたなら、世界を喰らう事すら容易い、ということなのだろう。

 6マナ7/7飛行トランプル。ぶっ壊れだ。歴代ドラゴンの中でもずば抜けたマナレシオを誇る。こんな最終生物兵器を手に入れる代償は...全てのパーマネントを担保とすること。全て追放して、このドラゴン単騎を戦力に後は頑張れと。まあ、確かにあとは殴ってりゃOKではある。もし除去されたとしても、担保にしたカードは返ってくるので安心。

 ...でも、ないんだな、これが。実体験から述べさせて貰おう。『ジャッジメント』のBOXを買い、《藪跳ねアヌーリッド》や《起源》、《生ける願い》を手に入れて喜ぶ当時のマジック仲間。僕もそうだったが、彼らがいらないという《世界喰らいのドラゴン》をトレードして貰って、さらにホクホク。デッキを作っていざゲームに臨んでみると...戦場に出た時の追放する能力にスタックで除去が撃たれる→戦場を離れた時の能力が誘発、勿論なにも還って来ない→その後、パーマネント全追放→...帰宅。また、身内にはカジュアル寄りのプレイヤーも多くいたので《平和な心》はとりあえず4積みみたいなデッキも多く、地獄を見たものだ。

 《動く死体》でこれを釣り上げると、自身の能力で《動く死体》を追放し死亡→《動く死体》が戦場に→釣る→死ぬ...の無限ループが発生。この際、これらのカードと共に戦場を出入りする土地をタップしてマナを生み出せば無限マナ。最終的には《動く死体》で《大使ラクァタス》など無限マナを用いてゲームを終わらせることが出来るクリーチャーを釣り上げてゲームEND。ヴィンテージのデッキの1つであったが、最近はめっきり見なくなったようだ。2015年レガシーで禁止が解除されたので、このカードの可能性はまだまだこれから。

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