むさぼり喰うストロサス/Devouring Strossus

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/11

むさぼり喰うストロサス/Devouring Strossus

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 「食らうものウィーク」では食らうということに関するカードを紹介している。マジックのゲームで用いるクリーチャーも、大半は生き物である。生命活動を行うのに食うのも当然。サイズが巨大であればそれだけ食欲も増すもの。クリーチャーに限らず、人間も大きい人はよく食べる。あるプロレスラーの自伝に印象的な記述があった。そのレスラーがアメリカ在住時に、遠征してきた若手(将来有望なプロレスラーは海外武者修行を経験するものだ)を自宅に招いた時の事。貧乏な若手は高級な日本食のレストランなどいけるはずもなく、日本食に飢えているだろうとお米を炊き各種おかずを用意したところ、もそもそと静かに2時間ほど食っていたとのこと。豪快に一気に食らう大食いも凄いが、延々食べ続けるということも常人からすると十分に怪物。マジックにも、そういうもくもくと食べ続けるクリーチャーが存在する。

 

 《むさぼり喰うストロサス》。か、かっこえええええ。イラスト見て?漆黒の巨体に、ガスマスク。ガスマスク!まあ実際にはガスマスクというよりは呼吸器官が付属した外骨格で覆われた頭部といったところなのだろう。でも見た目は管付きタイプのガスマスクだ。赤くランと光る眼も素晴らしい。某サバイバルゲームのキャラクターを思い来させる風貌。しかしながらその体型は人のそれとは大きく異なり...異常なまでにせり上がった方の装甲からは、歪な翼が生えている。上半身からそのまま足が生えたような昆虫的な要素も、ファイレクシアの機械の兵感をよく表している。このイラスト、よく視るとこのストロサスという機械兵の足もとに、ぼんやりと人の影が多数見える。これがストロサスより手前に描かれている、ということは...むちゃくちゃデカい。そう、9/9のクリーチャーともあれば、それはもう大怪獣。手前に描かれているファイレクシア人とエルフらしき人物、巻き上がる砂埃、ぱらぱらと落ちる石くれ...これらの様子から見るに、上空からこのストロサスが戦場のど真ん中に着地してきたところだろうか。絶望、である。デカすぎる。

 

 こんなデカいやつが、むさぼり喰うのは言うまでもなくクリーチャー。毎ターンボリンボリンと容赦なく、しかし静かに食う。この手の連中は生け贄を用意出来なかった場合、プレイヤーに噛みついて来たりする。しかしこのストロサスはそんなことはしない、静かに己を喰らい、死んでいく。黒くて巨大な生け贄要求飛行クリーチャーは、大抵はデーモン。やつらはコントロールの効かない、自我の強いバケモノだが、このストロサスのタイプはホラー。機械の兵であり、その飢えを満たす燃料を要求するだけで、それが貰えなければ静かに朽ちゆくのみ。なんだか、せつない存在に思えてきた。

 

 毎ターン1体の生け贄が必要とはいえ、8マナで9/9飛行トランプルというスペックはクリーチャー界でも随一。オマケの再生も、ないよりは良い。黒いデッキならば何度も墓地から蘇るクリーチャー、トークン、死亡した時にアドバンテージを稼ぐクリーチャーなど豊富な人材が揃っているため維持するのは割と容易い。

 

 8マナという重さと維持費を無視して、《大釜のダンス》から複数体、あるいは《ドラコ》と共に射出する「ダンシング・ストロサス」というデッキのがかつて存在した。今では《グリセルブランド》を《御霊の復讐》でもっと簡単にゲームに勝てる。恐ろしい時代になり、そしてロマンは失われつつある。


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