パララクスの潮流/Parallax Tide

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/16

パララクスの潮流/Parallax Tide

パララクスの潮流/Parallax Tide

パララクスの潮流/Parallax Tide

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 戦場と墓地以外の領域を用意した。カードゲームの元祖にして、スタート地点から革新的なことをやってのけていたマジックはすごい。それまでのゲームにおいて、必要な札・牌をゲームから取り除くものってあったのだろうか。

 

麻雀の王牌みたいなものか?でもあれも自分の意志でどうこうしてるわけじゃないしな...というわけで、特殊なカードを除けばもうゲームに戻ってくることのない追放領域にカードを移動させるカード達は、カードゲームの始祖にして頂点であるマジックのゲーム性を拡げるのになくてはならない存在だったと言い切っても良いだろう。

 

 さて、この追放というアクションだが、明らかに得意とする色と苦手な色が分かれるのが面白い。それぞれの色で触れるものと触れないものがはっきりしており、その色の特徴を体感的にわかりやすくしている。ただ、これは追放に限った話ではないが、時折例外のようなカードも登場するのもマジック。この色でそれを追放するか...という意外性を持ったカードの1つが《パララクスの潮流》だ。

 

 『ネメシス』に主要メカニズムの1つであるパララクス・カード。"消散"という能力は、コストパフォーマンスに優れたパーマネントを提供する代わりに、それらに使用できるターン数という制限を与えた。消散カウンターが乗って場に出るそれらは、アップキープが来るたびにそれを1つ失っていく。

 

ゼロになったら生け贄だ。また、このカウンターを自ら能動的に消費するタイプの起動型能力を持っていたりする。一気に消費して瞬間最大風速を記録するもあっという間に過ぎ去るか、小雨をパラパラと長期間降らせ続けるか。同じカードでも使い方次第で効果を大きく変えるカード群は、当時とても斬新で面白いデザインに見えたものだ。

 

 そういった消散カードの中で、ひときわ輝いていたのがレアのもの。青のレア《パララクスの潮流》は、青のエンチャントにして土地を追放できるという特異性が注目を集めた。4マナで、一瞬とは言え5枚もの土地を追放できるというのはなかなかすごい。勿論、3枚を2ターンだけ...とかでも十分にえげつない。

 

 当時は、相性の良いカードにも恵まれた。《補充》はこれを初めとする使い捨てエンチャントを使い回すことが出来る。このカードは《補充》を撃つために相手の打消し用のマナを奪うなどのお膳立てもしてくれ、「パララクス補充」というデッキを成立させる。

 

当時メタゲームの覇者として君臨し、多くのプレイヤーがこれを貼られて足踏みしつつエンチャントに蹂躙されることとなった。また《ミシュラのアンク》と併せて一気に10点のダメージを与えるコンボデッキ「アンクタイド」も青単で組めるお手軽コンボとして人気を博したものだ。

 

 マジックのカードの枠デザインを変更するために作られたテストカードは複数存在し、採用されずボツになった枠デザインの《島》のイラストが何故かこのカードのイラストだったりする。ストーリーではパララクスに飲まれた土地はどこかへと消え去るらしいが、この《島》もまさにその通りになってしまったのは何かの偶然だろうか。


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