歌を食うもの/Cantivore

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/07

歌を食うもの/Cantivore

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 食は快楽である。食に興味がない人は勿体ない、我々は食うために生きている!声高に湧き上がる食欲を自己弁護。食ってナンボだ、これから秋に突入するのだ。食わなくてどうする!サンマが、安くて、ただただ美味い時期が、やってくる!焼きナスも添えれば、ゴキゲンな秋の味覚尽くし。そんなわけで、今週はマジックにおける食欲旺盛な面々を紹介しよう。「食らうものウィーク」、開幕だ。...ちょっと、なんか、ホラーテイストだな...。

 

 《歌を食うもの》。なんとも美しい、詩の一節かのようなカード名である。この「○○を食うもの」という名は『オデッセイ』にて登場したルアゴイフ・サイクルにつけられた共通の名前だ。英名は~vore、《歌を食うもの》はCantivoreとなる。Voreというのは、生き物が他のものを丸呑みにすること・その光景を楽しむジャンルを示す単語だ。日本語にすると、なんと「丸呑みフェティシズム」。Cantiの方はこれといった単語は見つけられなかったが、イタリア語で聖歌に関する単語の多くがCanti~というものであったため、聖なる歌を意味すると考えて良いだろう。聖歌を丸呑みにすることを愛する者、すなわち《歌を食うもの》。

 

 マジックの世界で、歌と言うとエンチャントが自然と連想される。『ウルザズ・サーガ』の歌サイクルやその他の城の呪文など、祝福の歌は即ち呪文の詠唱となったりするのだ。それらを丸呑みにするということで、このルアゴイフ科の一種は墓地のエンチャントの枚数分のパワー/タフネスを有する。このサイクルはそれぞれ単一のカードタイプを参照してそのサイズが変動する連中で、白のそれがエンチャントとなったのはごく自然な流れ。エンチャントは対策もされやすく、特にオーラなんかはクリーチャーが破壊されると共倒れのため墓地に落ちやすい。なので、エンチャントをたくさん積んだデッキで後半に出すならば、そこそこのサイズを誇ることだろう。3マナでキャストして4/4程度になれば十分だ。オマケ能力の"警戒"も実に白らしい。上手く育てれば攻守において働いてくれる。テーロス・ブロックでエンチャント・クリーチャーも数多く登場したため、かつてより特別なアクションをしなくても墓地にエンチャントは落ちやすくなった。

 

 問題は...除去耐性と回避能力のなさ。こればっかりはどうしようもなく...オーラでそれらを付与するという手段もあるが、それならばいっそ初めから《ぬめるボーグル》でも育てればよろしい。イラストは白らしくない、でもどこか白っぽい怪獣が描かれている。酋長怪獣ジェロニモンのような頭の羽、骸骨状の顔から長く伸びた角に、人間のような上半身と甲殻類のような下半身、エネルギーを放出しているのかはたまた吸い上げているのか、いずれにせよパリパリとなっている腕...ちょっと原画が欲しくなってしまう、味わい深いイラストだ。


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