菌獣の共生/Saproling Symbiosis

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/30

菌獣の共生/Saproling Symbiosis

菌獣の共生/Saproling Symbiosis

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 今週は「キノコ・ウィーク」と称して各種カードを紹介している...のだが、完全にキノコオンリーという訳でもない。茸、というよりは菌類全般と思って欲しい...ネタが切れてしまうから...。《淡色のマイコダーム》《マイコロス》と紹介して、マジックの多元宇宙に住む菌類は我々の世界では考えられないほど複雑な構成で巨体を運動させ、捕食や繁殖を行う動物的性質の非常に強い存在として描かれている。僕らの住むこの地球に生息する菌類も、何も茸のような静の存在だけというわけではない。「粘菌」という言葉を聞いたことがあるだろうか。正しくは変形菌と呼ばれるが...これに属する菌類は移動し、微生物などの餌を捕食するのだ。それでいて、茸のような本体から胞子を散布して繁殖する、植物・菌類的な性質と動物的なそれを併せ持つ、不思議な生き物なのである。この特性に、マジックの世界の菌類も当てはまる...と思う。その性質を表現しきった1枚が《菌獣の群落》だ。樹上の胞子袋から、エイリアンのような生物が降り注いでくる光景...植物的存在が動物的存在を生み出し、それらが捕食活動を行う...ファンタジー変形菌ここに極まれり。

 

 2マナのエンチャントにして、1マナと手札を1枚消費するだけで1/1を生み出すことが出来る。同じく2マナでリソースをトークンに変換する《苦花》と比べると、かなり格が落ちるが...それでも当時としては、かなりの大盤振る舞い。青がめちゃくちゃ強かった時代、余った手札を消費して隙なくクロックを展開していけるのは素晴らしい。色を足す理由足り得る...と、言うのは言い過ぎで。そりゃ呪文が強かった頃とは言え、それでもオーバースペックだ。なので、しっかりとデメリットが付随している。

 

 そのデメリットが...このカードの能力は、誰でも使える、と言うもの。所謂"オールプレイ能力"だ。『メルカディアン・マスクス』のモンガー達に続いて、このブロック共通のギミックとして『ネメシス』のこのカードにもそれが取り入れられている。というわけで、相手の方が手札が多いような状況・マッチアップでは出した方が不利になる、なんてこともある。

 

 それでも、比較的安いコストでトークンを生産できるのは魅力だ。1ターンに複数回起動できるのも良い。上記のように青との相性はよく、トークンを展開しつつ《対立》で相手を封じていく動きは強烈。「苗木対立」「ターボタクシー」などで活躍を見せた。また、このカードが最も輝いたデッキと言えば「キメラ」だ。《繁殖力》《アシュノッドの供犠台》でループを形成し、《セラのアバター》を積むことでこれを無限のものとし、無限の無色マナでフィニッシュ手段を起動して勝利するムチャクチャカッコイイデッキだ。世界選手権00でTOP8に残ったこのリストは、世界中の少年たちをデッキビルダーとして目覚めさせた素晴らしいものだった。


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