銀のワイヴァーン/Silver Wyvern

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/09/26

銀のワイヴァーン/Silver Wyvern

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なんとなく銀しばりで週末まで。だって、シルバー・ウィークだったからね。人によってはもう土曜日でお休みなわけで、なんだ大したことないじゃないか。...と思ってたら週明けから苦しいんだろうなぁ。まあ考えてもしゃーないし、出かけよう。

 

「銀」なカードのトリを務められるもの...パッと思いつくものだと《銀のゴーレム、カーン》。でもそれだと、芸がないとは言わないが当コラムらしくもない。やっぱり、能力が十分語られ議論されるようなカードよりも、陽の目をあまり浴びなかったり今の若い世代が全く知らないであろうカードを紹介して語ってナンボであろう。というわけで、《銀のワイヴァ―ン》。Rhapsody of Fireのアルバムジャケットっぽいな、と思う方も少なくないのでは。古典的なファンタジーイラストのタッチで描かれた、オールドスクールな魅力を放つワイヴァーンが眩しい。そもそもワイヴァーンとは。イギリスでは古くから紋章・印章・旗章に見られる「二本足のドラゴン」である。蛇のような長い身体に、角や耳を有するドラゴンの頭部、コウモリの翼に2本の猛禽類の脚を持つ怪物であり、これが火を吹く様をデザインに取り入れている紋章なんかはきっと見たことがあるはずだ。ワイバーンとドラゴンを厳密に別のもとしているのはイギリスおよびその旧植民地くらいのもので、他の地域では基本的にドラゴンの一形態として同一視している。そもそも、そのイギリスにおいても2足のドラゴンや4足のワイヴァ―ンなんかが存在して...要するに差異はない。

 

マジックでも、その形態は概ね2足のドラゴン的生物に描かれているが、クリーチャータイプはいずれもドレイク。ドラゴンというファンタジー世界での至高の存在に、亜種などは容易に作らないというこだわりだろうか。いずれのワイヴァ―ンもサイズは中型であり、この《銀のワイヴァ―ン》はそれらの中でも最大のパワー4を誇る。 5マナ4/3飛行ならば、リミテッドでは合格点。というか勝負を決められるクラスのクリーチャーである。初手で取ってしまうのが吉、さすがはレアの貫録である。一方、構築では...これだけでは、押しが弱い。《大気の精霊》の方がタフネスが高く、当時存在した《火葬》で落ちない点で勝っている。では、このワイヴァ―ンのもう1つの能力を見てみよう。

 

青マナ1つで、このワイヴァ―ンのみを対象にとる呪文や能力の対象を捻じ曲げるというもの。これはなかなか、いやらしい能力だ。ワイヴァ―ンに《火葬》を撃ったと思ったら捻じ曲げられて自身の《ジャッカルの仔》が焼かれていた、なんて展開を演出できるわけだ。この手の能力は基本的には起動させることがなく、動物でいうところの威嚇みたいなもの。「こういうことが出来るからいらんことしてくるなよ!」と睨みを利かせるのだ。

 

ただ、例えば先に挙げた《火葬》なんかでも、受け流してプレイヤーへ!とはいかず、必ずクリーチャーに向けて反射させねばならないのが弱点と言えば弱点。これ以外のクリーチャーがいなければ、所謂フレンチバニラである。

 

このカードの良い所はやっぱりイラスト!この古臭さがむしろカッコイイ。イラストを担当しているColin MacNeilさんは『ウェザーライト』から『ストロングホールド』までの短い期間しかマジックに関わっていないが、記憶に残るイラストが多い。アメコミ「ジャッジドレッド」の作画担当として活躍しているようだ。


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