残酷な詐欺師/Cruel Deceiver

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/10/17

残酷な詐欺師/Cruel Deceiver

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エルドラージという多腕多足の部族の再来に準えて、同様に複数の手足を持つクリーチャー達を紹介してきた「手足わさわさウィーク」。そのトリは...まさしく手足がわさわさっと、わきわきっと生え這いずり迫りくる恐怖のワンシーンを描いた《残酷な詐欺師》に担当して貰おう。こういう手で徘徊するクリーチャー、ホラーファンには定番でたまらないデザインやね。ホラーゲームやってると、ひたひたと手を伸ばしながら迫る悪夢のような姿に怯えるパニクって正確な操作が出来ずに死亡するのが楽しくてしょうがない。実際、「サイレント・ヒル」や「サイレン」で出現しそうなデザインでもある。宙を舞うおかめと般若の面が、何とも言えない不気味さを演出している。2000年代のホラーってこういうのが多かったね。

 

日本風の次元・神河を舞台にした『神河物語』のインパクトと言ったら、これに並ぶものはマジックの長い歴史でもそうそうない。収録されているカードの、何とも言えぬジャパン感よ(日本感、ではない)。クリーチャーのいずれもが独特のインパクトを放っていた。スピリットの類は、おそらく百鬼夜行をイメージしているのだろう。バラエティー豊かな、ちょっとズレたへんてこなカードの中で、「おっ、これはなかなか」と思わされたのが《残酷な詐欺師》。カード名ぶっ飛んでるなぁ、詐欺師て!と当時思ったものだ。そしてトーナメントパックを剥いていて、その詐欺師がコモンのサイクルだと知り更に驚くと。そんなサイクル中、最も使い易そうに見えたのもこれだった。2マナ2/1というスペックは悪くない。

 

詐欺師サイクルはいずれも、1マナでトップを確認する能力と、2マナでトップを公開しそれが土地だった場合ボーナスを受ける能力を併せ持っている。詐欺師、と言う名がどのようにこの能力とリンクしているのか。おそらくは使い手に試されているのではないか。トップを見て、あたかも土地ではないかのようなリアクションをし、ターンを返す。そこで騙された相手に土地を見せつけてやる...なんか、意地悪なカードだな。この黒の詐欺師は、所謂バジリスク能力を得る。バジリスク能力と言うのは、"接死"の下位互換...と言える旧世代の能力だ。戦闘ダメージ限定の接死で、ものによっては戦闘終了後に解決されるものもある。この《残酷な詐欺師》は戦闘ダメージさえ与えれば即座に破壊できるので、先制攻撃なんかをつけてやればそこそこやらしいブロッカーとして機能するだろう。モミール・ベーシックたまたま手に入れることが出来たなら、能力の的中率は100%。大型地上クリーチャーを牽制するナイスブロッカーとして終盤に牙を剥くことだろう。

 

しかしこのイラストの織りなす世界観の独特で美しいことよ。知る人ぞ知るピンボールゲーム「邪鬼破壊(JAKI CRUSH)」のボスステージで出てきそうだ。知らない?やり得やり得。


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