SSSスタンダード(ゼンディカー)ROUND7 西村達也(大阪) vs本田麟太郎(熊本)

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SSSスタンダード(ゼンディカー)ROUND7 西村達也(大阪) vs 本田麟太郎(熊本)  Text by 森安 元希   参加人数とスイスラウンド回数の関係上、ROUND6で勝利したカキノキが ゼンディカー・トーナメント唯一の全勝者となった。 しかし残る3戦を行い、エルドラージ・トーナメントと併せた決勝トーナメントに残れるのは、145人中、4人。 誰もがまだまだ油断できないなか、鬩ぎあい凌ぎあいとなる1敗ラインからマッチアップの紹介。   "赤黒ドラゴンアグロの本田 vs 白青黒(エスパー)ドラゴンの西村"。 IMG_3622 ドラゴン・マスターとなるのは、どちらだろうか。   GAME1 先手、本田。お互いに7枚をキープ。   本田、《沼》から《血に染まりし勇者》。西村、《血染めのぬかるみ》からの動きはなし。 続く本田、《強迫》で暴いたのは、《時を越えた探索》《強迫》《意思の激突》《シルムガルの嘲笑》2《忌呪の発動》2。1ランド・キープが明かされる。そこから《シルムガルの嘲笑》をディスカード。   青マナも黒マナも欲しい西村、エンドに《窪み渓谷》をサーチせざるをえない。 ライブラリーから土地カードが減ることになるが、果たしてドローは―…《島》。 それがトップであることを知っている本田からも一つため息が毀れた。   《燻る湿地》《山》《山》と続ける本田。 4ターン目に動いたのは、《炎跡のフェニックス》。 西村、《究極の価格》で一旦、《血に染まりし勇者》を落とす。 続いて3マナ目の《島》を引けた西村、《忌呪の発動》で《炎跡のフェニックス》を落とす。   本田、後続は2体目の《炎跡のフェニックス》。 西村、これも自らのメインには《忌呪の発動》で落とすと、お互いのドロー・ゴーが続く。   数ターン後、《強迫》という動きを見せたのは本田。 対応して《時を越えた探索》をフルタップで唱える西村。 《忌呪の発動》こそ落とされるものの、ハンドのスペルは充実している。   攻守を入れ替えて西村から放たれた《強迫》の公開は、 《焦熱の衝動》《龍詞の咆哮》《残忍な切断》《嵐の憤怒、コラガン》。 《残忍な切断》でハンドにある《龍王オジュタイ》への対策を減らす。   本田がトップ・ドローした《雷破の執政》を《意思の激突》で撃ち落としてから、 西村は《龍王オジュタイ》を着地させる。 マナが1つ足りず、《嵐の憤怒、コラガン》が走れない本田は《鐘突きのズルゴ》を出すしかない。   ここから西村の《龍王オジュタイ》が動き始める。 ターンを貰っても動きにくい本田に対し、西村は《時を越えた探索》をエンドに唱えて、 急速にハンドを回復させていく。   本田、《鐘突きのズルゴ》のアタックを《残忍な切断》されてから、 《マラキールの解放者、ドラーナ》を展開。しかし《完全なる終わり》でブロックも許されない。   オジュタイ氏族の長、《龍王オジュタイ》。 コラガン氏族の《雷破の執政》と、その影を垣間見せていた《嵐の憤怒、コラガン》に睨みを利かせきった。 1本目はオジュタイに軍配が上がる。   本田 0-1 西村   本田のデッキはいわゆるドラゴン・デッキのなかでも赤黒に纏められた、"赤黒ドラゴンアグロ"と呼ばれる形だ。 斎藤友晴が作成したことでも知られ、アブザンに対しての勝率の良さは折り紙つきだという。 見る限り、白青黒(エスパー)カラーに対してもやり合えるスペックは持っていそうだ。   GAME2 本田、先手。 西村、1マリガン。占術は下。 本田。1T目《山》から《鐘突きのズルゴ》、2T目《僧院の速槍》を出してから《沼》、《強迫》。 《シルムガルの嘲笑》を落としながら高速めいたクロックを仕掛けていく。   西村、数度のアタックを受けライフを8まで犠牲にしながらも、《究極の価格》2枚でこの2体を対処する。 この2体を失うと、3マナから伸ばせない本田の攻め手が一旦ここで止まる。 少しして4マナ目を引き込むと《雷破の執政》《雷破の執政》、《前哨地の包囲》と一気にエンド・カードを連打。   しかし西村にとってもひと時の休みを得られたのは、大きかった。 《雷破の執政》2体に《意思の激突》2枚、そして《前哨地の包囲》に《完全なる終わり》。この大波を退けきる。   本田、ここから一転、《炎跡のフェニックス》、《血に染まりし勇者》、《僧院の速槍》という軽量級を続けていく。 西村、《完全無視》を含めなんとか1:1の除去で対処していくものの、 間隙を縫う速攻の分でじりじりとライフが減り続けていく。   お互いに1回、完全にハンドが枯れてからセットランド・・ゴー。セット・ゴー。そしてセット・ゴーの繰り返し。 互いが10マナにも達したころ、先に打開策となるカードを引いたのは、西村。   《汚染された三角州》を含め2回分の能力起動マナを立てて、《黄金牙、タシグル》。 本田、《忌呪の発動》で落としにかかる。 スタックで《黄金牙、タシグル》を1回起動。《完全無視》を回収。 そして、そのまま、フルタップとする、2回目も起動した。 西村、これでハンドは随分充実したものの残りライフ、2。   本田、ここで《炎跡のフェニックス》の獰猛能力を含め、速攻クリーチャー、パワー4クリーチャー、 もしくは本体に達する火力。なんでも良い―…しかし、引けない。   西村は生きながらえたことに喜びながら2枚の《シルムガルの嘲笑》を構えて、《龍王オジュタイ》をプレイ。 盤石な盤面を築きにいった。     ―…はずであった。 本田、《忌呪の発動》。西村、《シルムガルの嘲笑》。 本田、《自傷疵》。西村、《シルムガルの嘲笑》。   そして、本田、2枚目の《自傷疵》。 西村、ライフと《龍王オジュタイ》を同時に失った。   本田 1-1 西村   GAME3   今度はハンドにマナソースを充分に有する先手、西村。 《シルムガルの嘲笑》とフェッチランド2枚を追放しつつ、3T目に《黄金牙、タシグル》。   本田、《僧院の速槍》こそ蹴られるものの《マラキールの解放者、ドラーナ》からの《炎跡のフェニックス》で、 フレンドリーなシナジーを持つ不死鳥と吸血鬼が制空権を得る。   西村、この2体を凌ぐカードを持たない。ハンドには《龍王オジュタイ》、《龍王オジュタイ》、《否認》。 《黄金牙、タシグル》起動で捲れたのは、《時を越えた探索》と―…《龍王オジュタイ》。 3枚目の《龍王オジュタイ》がハンドに加わった。   本田、更に《雷破の執政》を追加。1体目の《龍王オジュタイ》と相打ち。 本田、《命運の核心》に辿りつかれる前にライフを取りきるべく、《雷破の執政》、《マラキールの解放者、ドラーナ》、《炎跡のフェニックス》、《血に染まりし勇者》を戦線へと送り込み続ける。 GAME2のあまりものマナフラッド(土地過剰)への復讐劇かのような、猛攻、猛攻、猛攻。   西村、《龍王オジュタイ》をさし出し続けるものの、横に伸びた戦線が、止まらない。 数点ずつ減り続け―…最後《マラキールの解放者、ドラーナ》を含めた5体のアタックが、止まらない。   正義のプレインズ・ウォーカーたるギデオン・ジュラともどもゼンディカーの為に立ったドラーナは、 ギデオンに勝るとも劣らないリーダーシップを顕現した誘発型能力を持つ。 戦線が一瞬にしてサイズが膨れ上がる。   西村 1-2 本田 本田WIN! 幾度姿を見せた西村の《龍王オジュタイ》に対し、 本田の《嵐の憤怒、コラガン》は今回、戦場に姿を見せることはなかったが、 赤黒にまとめて可能な限りテンポを重視した構成が活きた結果となった。 全勝のカキノキのデッキは"白黒ウォーリアー"であり、 このトーナメントではテンポの良いデッキの成績が良い。 それはアブザンアグロに対しての優位と共に、 白青黒(エスパー)に対しても確実にやり合える力の証明だろう。 7勝2敗という最終成績はトップ4の芽が一気に薄くなる為、1敗で2戦を残す本田もまだ安心は出来ない。 GAME 3の猛攻の勢いを保って、いち疾く駆けのぼれるか。