傷刃の精鋭/Scarblade Elite

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/16

傷刃の精鋭/Scarblade Elite

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 もうGP神戸2015が目の前!やらなきゃならない仕事がまだまだあるし、GP本番前はお腹が痛くなる不安に満ち満ちた期間である。いざ、始まってしまえばなんか気が付けば終わってる、そんな3日間なんだが準備期間というのは独特の雰囲気があるよね。プレイヤー達にとっても、デッキを決定しサイドボードの調整をし、状況ごとの最適解を確認し...それでもなお、勝てるのか不安が募る時期、であると思う。このヘヴィな空気の中、今日は僕が経験したとあるグランプリのお話をしよう。

 

 ローウィンブロック限定構築で開催されたGP神戸08。最終セットの『イーブンタイド』も登場し、部族と多色という2つのテーマが1つになったこの環境、マナベースもクリーチャーもよりどりみどり。本命は「白単キスキン」「緑黒エルフ」そして「青黒フェアリー」。当時からよくわからんデッキばかり使っていた僕は、このGPにも自称「キスキンとエルフを食える」デッキで出場した。そのデッキを成り立たせていたカードこそ《傷刃の精鋭》。このカードは『モーニングタイド』のテーマである"職業"シナジーを体現する1枚。ウィザードや兵士などのメジャー職業でない、それまでロードにあたるカードが存在しなかったものたちにもスポットが当たったのはマジック大好きおじさんとしては嬉しかった。《傷刃の精鋭》は、それまで職業としてクリーチャータイプ欄に印刷されていながらも、それであることに意味を与えられていなかった「暗殺者」に価値を与えた1枚である。2マナ2/2のエルフ・暗殺者で、タップして墓地の暗殺者カードを追放するコストを支払うと、対象のクリーチャー1体を破壊できるのだ。2マナのクリーチャーで、対象の制限もなく、マナも不要な破壊能力。お、強くないか?確かに暗殺者というマイナーなタイプを持つカードは少ないが、この環境には絶対的な1枚があるではないか。《名も無き転置》という、除去にして多層を持ち2マナと軽い絶好のカードが。というわけでこれらを4枚ずつ並べて、追加の暗殺者としてカードとして素で強い《残忍なレッドキャップ》も追加。これらに追加で白から全体除去と《台所の嫌がらせ屋》などの戦線を支えてくれるカードをいくつか採用して、これらをフィルターランドと《反射池》でまとめあげ、フィニッシャーは《名誉の御身》!...とかいうやる気ゴリッゴリのマッシヴなデッキが完成。友人とテストとしてエルフとキスキンを相手に回してみると、これがなかなか勝率が良い、というか圧倒してしまえた。どちらのデッキを相手にしても《傷刃の精鋭》が2マナ2/2といういざともなればブロッカーに回り、後続の同カードの能力のタネになれるというスペックを活かして大活躍。これはGP神戸貰ったな!と意気込んでいざ出陣。

 

 して、結果は。まさかまさかの「黒単コントロール」と2回連続で当たり、クリーチャーを展開してこない相手に《傷刃の精鋭》はただの熊と化し、こちらよりヘビーコントロールな向こうの《堕落》連打によって早くも2敗。そこからは仮想敵キスキン、エルフを相手に勝利するも、フェアリー(だったかな?)に負けて没。エルフのプレイヤーには「手も足も出ない。何でこのデッキが(2敗)ラインにいるんだ...」との、有難いんだか悲しいんだかわからない賛辞を頂いたのが良い思い出。黒コン2連打なんて聞いてない!傷刃、転置が揃った初手を見て内心ニヤついていたらこの仕打ち。そんな素敵な、忘れられない経験をさせてくれた最高のカードである。ちなみにこのGPを制したのは「青黒フェアリー」を駆るあんちゃんこと高橋優太さん。国内GP連覇という快挙を成し遂げたのが...もう7年前なのか、驚き。


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