戦の大聖堂/Cathedral of War

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Card of the Day -今日の1枚- 2015/11/27

戦の大聖堂/Cathedral of War

戦の大聖堂/Cathedral of War

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「戦(いくさ)ウィーク」をお届けしている今週の当コラム。マジックは戦だ。この戦に勝つためには必要なものがいくつかある。自らの手足となり戦闘を行うクリーチャー、それらを強化しまた相手のそれらを妨害する呪文、共に戦うプレインズウォーカー、そして魔力の源である土地。あとは...運か。完全な腕ゲーではない、運の要素も持っているのマジック。そこが面白いところだが、例えばスイスラウンドの最終戦のTOP8進出か否かがかかった試合なんかは「お願いだから運気が変な方向にいかないでくれ!」と祈るものだ。戦への祈り...今日はそんな、勝利を嘆願するロケーションをお伝えしよう。

 

《戦の大聖堂》。大聖堂とは、キリスト教における宗教建築の種別のひとつ、とのこと。専門外だが、こうなんというか、大きくて豪壮な宗教施設って解釈であってるかな?祈りをささげる場所なのだろう。これだけ聴くと神聖な場所だが、その頭に「戦の」とつくとガラリとイメージは変わるものだ。おっかない響きのカード名に相応しく、イラストもなかなかに物騒なもの。薄暗い聖堂内は、数々の槍・刀剣・斧...戦で用いる武器で作られたシャンデリアや格子で装飾されている。マジックによくある「よく見れば怖い」イラストの典型。この影の部分から、完全装備した黒騎士なんかがヌーッと出てきて、一刀両断でもされそうだ。

 

色マナが出そうにないそのモノクロな見た目通りの無色土地。それもタップインである。テンポを阻害し、色マナをサポートするわけでもない土地であれば...強力な起動型能力を有している、かと思いきやこれもそうでもない。というわけで持っているのは誘発型能力"賛美"だ。賛美とは、自身のクリーチャーが単独で攻撃した際に誘発し、そのクリーチャーに+1/+1修正を与える。元々はアラーラ・ブロックの青白緑の断片・バントに与えられたキーワード能力だが、『基本セット2013』にてゲストキーワードとして再登場。ここでは白と黒、そしてこの土地の能力として設定されている。この土地は前述の通り、タップインのためマナカーブに沿ったテンポの良い展開を阻害する。それでも、既に戦場にいるクリーチャーのサイズを1つ上昇させるこの土地は、使い勝手の良いものだった。1、2マナ圏のアタッカーの賞味期限が伸びるのは素晴らしい。

 

このカードが輝いたデッキと言えば「ラクドスアグロ」。『イニストラード』~『ラヴニカへの回帰』の頃のスタンダード環境では、赤いアグロデッキvs《スラーグ牙》という光景が日常の風景であった。この5/3およびそれが戦場に残していく3/3ビーストを相手に、通常ならばビタッと止まってしまうクリーチャー達が立ち止まらずにアタックに行けるというのは大きい。特に《灰の盲信者》との相性は特筆すべきもの、3/3先制攻撃ならば《スラーグ牙》など恐れるに足らず。アグロデッキにこのタップイン土地を3枚投入するという、それまでにない切り口で結果を残したのが...うーん、この名前をこのコラムで出さざるを得ないことになるとは。村栄龍司は《戦の大聖堂》入りのデッキで、GP名古屋2012にてTOP4入り。そこからのプロプレイヤーとして活躍する...ことはなく、毎日だらだらとよくわからないことをやっている。とりあえず、おつかれ。


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