背教/Backslide

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/05/11

背教/Backslide

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「Backウィーク」ということで改めてBackという英単語の意味を調べてみる。人や動物の背中・背面。転じて背後。奥の方という意味もあり、奥歯はback toothとなる。動詞になると後退する・帰宅する。よく英語圏の人と野球をやってバックホームを指示すると帰宅してしまうとかいう冗談が言われるアレね。on the backで「背に乗る」となり、本日紹介するカードはそんな意のbackをカード名に持つ1枚。Ponybackで子馬乗りと訳された、《子馬乗り部隊》だ。

 

変異クリーチャーとは何か、考えたことはあるだろうか。次元タルキールのそれは、遥か昔にウギンが用いた魔法を引き継いだものだ。いくつもの光の帯により形成された光球で、敵に正体を悟られぬように戦う戦闘術である。この設定は「どうやって変異をこの世に蘇らせるのか?」と疑問に思っていた僕の予想を大きく裏切り、その面白さに魅了されてしまった。あっぱれ、としか言えない。

 

では、そんなタルキールの変異と比べて、元祖変異・次元ドミナリアのそれはどうか。これがまた凝ったもので...オンスロートブロックと時のらせんブロックのカードに、何やら粘土で作った蜘蛛のようなクリーチャーの姿が描かれているのを見たことはないだろうか。これらは変異蜘蛛・粘土蜘蛛などと呼ばれる。このブロックに属する変異クリーチャーが裏面の3マナ2/2として唱えられる時は、この気味の悪いフェイスハガー的生物の姿で戦場に登場する。この変異蜘蛛の殻を突き破り、その中から別のクリーチャーが登場する、というものなのだが、この粘土蜘蛛の中に大人しくドラゴンやエルフが手足を縮めて入っている、というわけではない。実はこのクリーチャーは、召喚術の出口・移動式ポータル的役割を担うのであり、出てくるクリーチャーと生物的な繋がりなどはまったくない。どこでもドアに足が生えた、と思っていただければ。

 

《背教》は、そんな変異蜘蛛の殻にクリーチャーを再度押し込むカードだ。2マナで変異クリーチャーを裏向きにするインスタントである。...以上ッ。使い道がなければ、サイクリングしても良いぞ!

 

無茶苦茶に弱いカードである。使い道としては、相手の変異持ちクリーチャーの攻撃をブロックしたら、これで2/2にもどして討ち取っちゃおうということなのだろう。ただし、相手にマナがあれば表に返る。カード1枚を使ってやることでは、決してない。自分の変異クリーチャーに使用し、表に返った時に得られるボーナスをおかわりする、というのが最良か?と思ったが、歴代最強にして最も使われたであろう変異持ち《棲家の防御者》に対してこれを使うと...確かに墓地からカードを2枚拾いつつサイズがアップするが、カードを1枚消費しているので大して得をしていない、という現実。フレイバーテキストは、このカードを手に取りテキストを確認したものへのメッセージだろうか?

 

カード名は、はっきり言ってしまうと誤訳である。教えに背く、という要素がイラストや効果から感じられない通り、このカードの英名《Backslide》は「逆戻りする」という意味を持つ。自身がポータルとして抜け出してきた蜘蛛の中に再び押し込められる。これをもって、戻されたクリーチャーは自分は異世界からの来訪者だったと知ることになる。知らずにいる方がよいこともある。

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