群がりの庭/Swarmyard

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/07/16

群がりの庭/Swarmyard

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きったないイラストってあるよね。これは褒め言葉です。噎せ返るような、不衛生さ・汁の飛び散る汚らわしさ...この手のイラストの大御所、個人的にはThomas M Baxaを推挙したい。《血に染まりし城砦、真火》《大渦の放浪者》など綺麗なイラストもあり、これらも最高なのだが...彼の本領が発揮されるのは、きったないヤツらを描く時。《腐れ肺の再生術師》《不浄》《暴食するゾンビ》《大荒れの悪魔》《ゾンビの横行》...どれも美しい。《したたる死者》なんて、口からしたたる腐液がゴボゴボと鳴るのすら聞こえてきそうなほど汚くて...最高だ。そんなBaxa先生の手掛けた群れでやってくるカードと言えば...《執拗なネズミ》が上がるか。これ、カードで見ても分かりづらいが、実際に夥しい数のネズミが山を築いていて恐ろしいったらありゃしない。

 

このカードも十分「ヤツらは群れでやってくるウィーク」のシメに相応しいカードだったりするのだが、Baxaパワー全開・汚すぎて吐きそうなイラストのこのカードを追い抜くには至らなかった。今日の1枚は《群がりの庭》。是非、「Swarmyard」で画像検索して大きなイラストをご覧になっていただきたい。ベイロス、あるいはアヌーリッドのような獣の死骸にたかる、虫・蟲・ネズミ・カラス...ウジュウジュ感がたまらなく不愉快で、マジック史上最も衛生状態の悪いカードの1つ選べと言われたら真っ先に挙げられるものだと思う。この気味の悪さこそBaxa流。Baxa信者はこれを眺めながら白米をかきこめるぞ(意味不明)。

 

カード自体は無色マナを生み出す土地。なんとなく、戦場に置く際に気を遣うというか、他の美麗な《森》や《島》なんかの横には置きづらい。この汚い土地はマナ関係のサポートは行ってくれないが、特異な起動型能力を持っている。クリーチャーを再生させることが出来るのだ。ただし、動物たちの楽園といった美しさを見せていた《ヤヴィマヤのうろ穴》と正反対のイラストが示すように、このカードではなんでもかんでも再生できるというわけではない。《群がりの庭》は昆虫・蜘蛛・ネズミ・リスのみ。群がりが示す通り、小さくてわらわらと群れる生き物のみだ。いずれもマジック的には小型クリーチャーが主体で、簡単に死んでしまうものばかり。これを再生させることが出来るのはなかなかに有り難い。しかも再生させるためのコストは、この土地をタップするのみ!破格である。《貪欲なネズミ》が延々居座るブロッカーになると考えると、この土地の強力さは伝わるかと思う。

 

ただ残念ながら、同じ時代にこれで再生させたいクリーチャーがあまりいなかった。ネズミの一団は神河ブロックの退場と共にそのほとんどがスタンダードを去り、蜘蛛や昆虫は構築シーンで活躍できるような強力なものはマジックの長い歴史を見ても少なく、そしてリスに至っては当時トークンを生み出すカードが僅かにあるばかりだったので、スタンダードでこれを使って何かを再生させるなんてのは見ることが出来ない光景であった。

 

ただ、現在ではクリーチャーが増えたことでこのカードで再生させられるクリーチャーの質も上昇。モダンでネズミデッキを組むのであれば、必須のカードである。『異界月』ではなんかでっかい伝説の蜘蛛も出てくるし、そのうちむちゃくちゃ強いリスが出てきてこのカードが化ける、なんてこともあるかもね。

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