BIG MAGIC所属プロ 井上徹 プロツアー『霊気紛争』参加レポート
タグ:スタンダード, プロツアー, リミテッド, 井上徹, 大会レポート, 読み物, 霊気紛争皆さんこんにちは、BIGMAGIC所属プロの井上徹です。
今回は先日ダブリンにて開催されたプロツアー『霊気紛争』参加レポートをお届けします。
それでは早速、プロツアー参加前のデッキ選択のお話から始めてみようと思います。
○スタンダードのデッキ選択
プロツアー前に開催されたSCGオープン等の結果から、新環境にはビートダウン、コントロール、コンボと全てのタイプに優秀なデッキが存在していたので、
それならば自分が一番得意とする「青系のコントロール」を使おうと早い段階で決めていました。
トップメタの3デッキ(黒緑・サヒーリコンボ・機体系)を意識して構築していく中で、
SCGオープンで大暴れしていた「サヒーリコンボ」は特に意識する必要があると考え、
カウンターと除去以外でも対策カードがないかと探していた時に目に付いたのが《電招の塔》でした。
置いておくだけで「サヒーリコンボ」の牽制になるこのカード、
メインボードではほぼ対処されることがないため、設置出来た時の安心感は絶大です。
これで《電招の塔》を使った青いコントロール、といったところまでデッキが絞り込まれます。
メインカラー(青)は決まっているので、次は二色目の選択です。
二色目については最初から黒と赤の二択、どちらかに決めていました。
理由としては共に1マナの優秀な除去(《致命的な一押し》&《ショック》)が使えることです。
今回青いコントロールを使う上で一番警戒すべきと考えたのが、機体デッキの《模範的な造り手》です。
1ターン目のこのカードに触れないと、それだけでライフの大半を持っていかれてしまうため対策は必須です。
黒と赤それぞれのメリットですが、
黒は《闇の掌握》でトップメタデッキの中心となるクリーチャー(《守護フェリダー》《巻きつき蛇》《キランの真意号》)を対処出来ることや、
クリーチャーデッキ相手に《ゲトの裏切り者、カリタス》を使えること。
赤は《ショック》がサヒーリコンボに有効であることや、マナベースが強力(《さまよう噴気孔》が使える上に赤の呪文は色拘束が薄い)であること。
といった感じでどちらも魅力的な点は多かったのですが、問題となったのはマナベースです。
3ターン目に青青(《不許可》と《虚空の粉砕》)を要求するデッキのため、
2ターン目に2色目のダブルシンボルを出すことが厳しかったのです。
そのためダブルシンボルを要求する《闇の掌握》でなく、シングルシンボルである《蓄霊稲妻》が使える赤を選択しました。
出来れば『霊気紛争』発売時に注目していた《発明品の唸り》・《弾圧する構築物》の無限コンボも採用したかったのですが、
《弾圧する構築物》を素でドローしてしまった場合の弱さや、
《発明品の唸り》から《電招の塔》を持ってくる動きが悠長過ぎた等の理由で敢無く不採用となりました。
奇襲性は抜群なので、こっそりサイドボードにコンボを仕込んでおくと活躍する場面があるかもしれません。
○初日ドラフト
初手は《ピーマの改革派、リシュカー》
2手目は《巻きつき蛇》と《暁羽の鷲》の2択で巻きつき蛇をピックし、黒緑路線へ
続けて《真夜中の随員》が流れてきた、までは良かったのですが、ここで黒のカードが完全に枯れてしまいます。
その後も緑は一貫して取り続け、2パック目で流れの良かった白に参入し白緑へと色替えすることに。
3パック目では緑白共に流れがよく、すっぽり抜けていた3マナ域を補強してデッキ完成。
序盤に黒をかじっていたせいで少々カード不足感があるものの、
カラデシュで強力カードに恵まれたおかげでなかなかの白緑デッキになりました。
1パック目の2手目に《巻きつき蛇》ピックは少しもったいなかったですね。
初手にピックしたリシュカーとのコンボを強く意識してしまい蛇をピックしましたが、
ここで《暁羽の鷲》をピックして色の選択肢を広くしておけばカード不足に陥ることはなかったと思われます。
マルチカラーのカードは強力ですが、ドラフト序盤だと使えないリスクもあるため、ピックのタイミングが難しいですね。
R1:赤緑 ○○
R2:青黒 ○×○
R3:白緑黒○×○
3回戦では《巻きつき蛇》と《歩行バリスタ》に苦しめられるものの、
ラストターンに《高峰の注入》をトップする幸運に助けられ3-0!
3マナ域に強力なアタッカーが揃っていたため、
どのゲームも安定して殴り続けることが出来ました。
○初日スタンダード
R4:黒緑 ○○
R5:赤黒機体○○
R6:赤黒機体○××
R7:4C機体 ○×○
R8:黒緑 ○××
初日最終戦では《不許可》をプレインズウォーカーの起動型能力に対して使えることを失念していた為に落としたりと
勿体無いミスもありましたが、ドラフトの好調もあり6-2で初日を突破することが出来ました。
○二日目ドラフト
初手は他にめぼしいものがなかったため、《搾取工区の喧嘩屋》。
2手目も同じく弱いパックから、唯一初手とかみ合いそうな《悪意器具》をピックという非常に苦しいスタートとなりました。
その後も色を決められるようなカードがなかったため、《霊気装置の設計図》×2等をピックして色決めは保留することに。
2パック目で《艱苦の伝令》を引き当て黒を確定。
3手目に《テゼレットの手法》があり、この時点では青に触れてなかったのですが、
1パック目で即席用のカードを多くピック出来ていたこともあり、ここで青黒を確定させることにしました。
結果、3パック目で《歯車襲いの海蛇》を3枚ピック出来たりとカードに恵まれ、強力な青黒を構築することが出来ました。
悪くても2-1、うまくいけば3-0も狙えるデッキだと思っていたのですが...
R9: 青緑○○
R10:白緑○××
R11:赤黒××
初戦こそデッキがうまく回り勝利することが出来ましたが、
10、11回戦は即席用のアーティファクトしか引かなかったり、
逆に海蛇等の重い部分しか引かなかったりでマリガンが重なり、あっという間に2連敗。
1-2という残念な結果になってしまいました。
○二日目スタンダード
R12:黒緑×○×
R13:青赤コントロール×○○
R14:4C機体○○
R15:4C機体○○
R16:ジェスカイサヒーリ○△
2日間通して構築ラウンドの半分が機体系とのマッチアップだったのですが、
全てのマッチでメインボードを落とさなかったりと、デッキ構築の面でも満足のいく結果となりました。
特に《粗暴な排除》は《屑鉄場のたかり屋》を使った相手に大活躍で、
メインから2枚採用しておけばもう1つ勝ち星を伸ばせたのでは...と思うほどでした。
○PT結果
2日目になって3連敗した時はかなり危うかったのですが、
何とか踏みとどまることができ、トータル11-5で次回のプロツアー、『アモンケット』の参加権利を獲得することが出来ました!
直近のグランプリ・プロツアーでは苦しい成績が続いていましたが、
今回のプロツアーで今期の残り全てのプロツアーの権利を確定させることが出来たので、この先も気を緩めず一層集中して頑張っていきます。
以上、プロツアー『霊気紛争』参戦レポートでした!