密林の猿人/Kird Ape

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Card of the Day -今日の1枚- 2017/2/22

密林の猿人/Kird Ape

密林の猿人/Kird Ape

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猿というクリーチャータイプの歴史は、実は物凄く浅い。そもそも猿カードは5枚しかない。嘘つけ、ゴリラいっぱいおるやんけ!と思われるかもしれないが、あれらは猿ではない類人猿だ。類人猿とはオランウータン、ゴリラ、チンパンジーのような高い知能を持った我々ヒトに近い猿の仲間。これらの特徴は、身体が大きくて尻尾を持たないこと。マジックに登場する猿カードの大半は類人猿。何だったらこの間まで、猿というタイプは存在しなかった。一度は猿カードが作られたが、『第9版』にて類人猿にタイプ変更。それからなんと『カラデシュ』まで猿は登場しなかったのだから、ちょっと不思議な感じもする。同セットのインド風の世界観には、樹上で暮らす尻尾の生えた猿が合うもので、類人猿は趣旨とそぐわない。《狡猾な猫猿》にて猿は復活し、かつて猿だったものは元に戻った。ついでに《貪欲なヒヒ》も猿に、《猿檻》から出てくるトークンも猿に変更。なんだか笑えるが、クリーチャータイプマニア的には重要な事件だ。



 

猿と類人猿は分断されたわけだが、今日紹介する1枚は類人猿側の代表的なカード、《密林の猿人》だ。マジック最初の類人猿で、初出は『アラビアンナイト』。英名の《Kird Ape》のKirdはアラビア語でJungleを意味する。アラビアにゴリラのイメージは全くないが、まあ雰囲気は出ているか。



 

カードとしては密林というだけあって、《森》にまつわる能力の持ち主である。1マナ1/1と貧弱なお猿だが、森タイプを持つ土地をコントロールしていれば本領発揮、一気に2/3と好戦的なゴリラサイズに成長する。1マナ2/3は現代のマジックでも十分通用するスペックなので、当時のクリーチャー事情を考えるとこのゴリラが如何に強かったかがよくわかる。



 

しかも当時は基本セットに森のタイプを持つ2色土地、所謂デュアルランドが収録されていた頃。《密林の猿人》は1ターン目に《Taiga》からさっそうと飛び出て暴れ散らかしたことだろう。この光景がトラウマになったプレイヤーだって少なからずいるはずだ。そんな背景もあって、ついたあだ名が「Taiga猿」。カタカナ表記でタイガザル、まるでポケモンのようだ。『リバイズド』の頃なんかのプレイ事情など知らないが、僕も《野生のナカティル》が出た頃に「タイガザルと併せて「Zoo」最強!」などという会話をしたので、長―く続いているあだ名だなぁと。同型色違いの《壌土のライオン》は「猿ライオン」とか呼ばれたりしててもはや意味不明だったのも懐かしい。



 

最近はすっかり姿を見なくなったが、かつては禁止カードになるほどの活躍を見せたカードだ。おかげで『From the Vault : Exiled』にも名を連ねている。スタンダードに帰ってきたりしても良いんじゃないかなぁなんて思っているんだが、いかがなものだろうか。


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