藤田剛史インタビュー~プロとして何をするか~

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日本人最初の殿堂顕彰者であり、日本のマジックのコミュニティ発展に寄与してきた藤田剛史__ローリーさん。

BIG MAGICは2017年、ローリーさんとスポンサー契約を締結。トーナメントシーンへの本格復帰をサポートすることとなった。

ここ数年、プロツアー及びグランプリから離れていたローリーさんがここに来てやる気になったのは?

伝説の「おっちゃん」に聞きたいことは山程ある。ニコ生内でのトークとインタビューをまとめて、ローリーさんが今何を考えているのか、探ってみた!




「プロ契約発表・挨拶」


岩SHOW(以下岩):ローリーさんから、じゃあ発表の方をよろしくお願いします。

ローリー:今回、なんとプロ契約を・・・○×製菓さんとさせていただくことになりました。

岩:おいっ!逆にホンマやったらすごいことですよ!

ローリー:あれ違う?(笑) そうそうBIG MAGICさんとね、プロ契約をさせていただくことになりました。

岩:ありがとうございます。そうなった経緯など聞かせてもらえますか?

ローリー:BIG MAGICのプロは3人いるって知ってて、こないだのプロツアー『霊気紛争』でも会ってんけど・・・瀧村君、松本君と、井上君。そうそう俺こないだ初めて会って。知らんかったからお名前聞いてさ。

岩:知らなかったんですね(笑)

ローリー:そう、誰?って聞いて。俺ウソつかれへん男やから、そこは正直に(笑) そうそうそれでプロが3人、そこにね、4人目として加わることでチームとしてバランスが取れるかなって。

いやほんまはね、声かけてくれてたところはあるんやけども・・・一番最初に声かけてくれたとこにしようっていうのが俺の中で決めてたことやったからね。

結構昔に、(契約)どうですかっていうお話をもらって、その時は「じゃあ自分がもしプロツアーで勝てるようだったらその時お願いします」って返事してたんよね。

それで今回、プロツアーのチームシリーズが始まったから復活して。それで無事初日も突破して、二日目も・・・ちょっと事情があって、それがなかったら優勝まであったね。

岩:優勝までありましたか(笑)

ローリー:風邪引いててね、そんで風邪薬も切れて。二日目えらい咳してるやつ増えたなぁと思ったけど、俺のせいかなぁなんて。

岩:まあ体調不良もあったようですが、本戦も二日目良いところまで勝ってましたね。チーム(『Last Samurai』)内でもポイントゲッターでしたね。

ローリー:4敗ラインまでいって「お、これ次勝ったらフィーチャーちゃうか?」とか思っててんけどね、ありえへんミスして負けたんやって。機体を先出したら勝てるという状況で間違ってクリーチャーを出してしまった。

終わってからナベ(渡辺雄也)に「何でです?」って言われるまで気づかんかった。意識が朦朧としてたね。体力というか、そういうものを感じたね。でも、同時に「勝てるな」とも思った。

だからここでプロ契約のタイミングかなと。



「これから何をするか」


岩:それではプロ契約をされて・・・まず何をしたい、とかありますか?

ローリー:何をしたいか・・・難しいね。何をしたいかか・・・

岩:まあプロ契約、ということでトーナメントに出るサポートはうちからさしていただきますが。

ローリー:そうやね、おかげでプロツアーもグランプリも全部出られようなったからね。だから・・・まあいつも通りかな、出る以上は真面目にやってるしねいつも。

岩:じゃあ、これまでとは特にスタンスは変わらない・・・

ローリー:いや、そんなことはないよ。それはない。全力でBIG MAGICというお店を応援するつもりでやるよ。

岩:なるほど、ありがとうございます。ローリーさんが現役バリバリで世界を周っていた頃って、こういうプロ契約っていうのはほとんどなかったですよね。石田格さんとか一部の方しか。

ローリー:そうやね。俺がショップで雇ってもらってた・・・そんくらいかな。バイトして給料もらって、そのお金で遠征してた。

岩:そういう形やったんですね。じゃあこれまで特別、サポートの類を受けたこともなかったと。

ローリー:うん、なかったね。そんなん聞いたこともなかったわ。ごく最近まで。だから最近のやつらは恵まれてるなって、ずっと思ってたんよ。

岩:そうでしょうね(笑)

ローリー:いやほんま、昔ももっとウィザーズにお金出してほしかったな~ほんまに(笑) 俺もずっと頑張ってたんやって。今皆めっちゃもらってるやん、プラチナとか。

俺ずっとグレービー(シーズン中、すべてのプロツアーの参加権利を持っている状態)やってんて。これ結構自慢やねんけど、俺が初めてプロツアーに出てから殿堂入りするまでの10年間、1回もグレービー落ちんかってん。あったのはマスターズくらいか。あれは出てたわ。プロポイントの上位24名とかがプロツアーの併催イベントで事前に集まって、参加するだけでも賞金20万とかやったかな、優勝すれば200万。プロツアーかマスターズ、どっちか勝てればデカい。まあ今で言うプラチナ褒賞みたいなもんやね。それを1年間だけ出れたかな。まあ、結局全然アカンかったけど。

そういう形でお金貰ったりはあったけど、今回こういうサポートを受けるっていうのは初めてやからね。そんな中で・・・勝ちたい、う~ん。

岩:勝ちたいという気持ちは大きいと。

ローリー:勝ちたい、うんまあ勝ちたい気持ちはあるよね。でもそれよりも・・・

岩:盛り上げたいと?

ローリー:そうやね。折角マジックにまた身を置くことになったから。うん、盛り上げたいよね。

前までやってたニコ生も、慶太君(森慶太)にああいうのやってって言われてて。ええよって言ってたらじゃあ出て、と。あ、ほんまに出るんやって(笑)

でもあれもやってみて、まあまあ好評やったみたいで・・・実際、グランプリ会場に来てくれる人は増えたかなって。

あの仕事もしばらくやったけど・・・まあ、まあまあもうここらでええかなと。限界点が近いかなと。

岩:限界点ですか。

ローリー:今観てくれている人は、仕事が忙しかったりで会場に来れない人・マジックを始めて浅くて、まだちょっとグランプリは、という人達になってきてるかなと。

そうじゃない人達は、会場に来てくれてる割合が増えたんちゃうかなと思う。視聴者数は回を重ねるごとに減ってきてたからね。コメントも変わってきてたし、層が変わったなと。

岩:なるほど、じゃあここらで・・・という思いもあったんですね。

ローリー:解説は年1回・・・まあオファーがあったらの話で、今後どうとかはまったくわからんけど、そんなんで良いかなって。

岩:グランプリは出れる限り出る、と。

ローリー:その方が得やからね、出得、出得。

岩:今は優勝100万、でかいですからね。

ローリー:まあ勝てれば最高やし、勝てんくても練習。あくまで本番はプロツアーで、そこに向けて練習せんとね。やらないと。やらないとマジックは衰える。

岩:実際、衰えたなって感じました?

ローリー:衰える衰える、「あ」増えるからね。

岩:機体のお話とかね(笑)

ローリー:そうそう、まあミスはしゃーないとしても、ミスにならないレベルのミスはやったらなあかんなと。サイズ負けしてるクリーチャーに突っ込む、エンド前に火力撃ち忘れるみたいな。

前のプロツアーで気を付けたのは、「エネルギー・カウンターの乗せ忘れ」これを0にしようという点。それだけ考えてやってたね。

岩:0でしたか?

ローリー:1回、あったかな。あと、忘れてて相手に忘れてた言うたらOKって。誘発でエネルギー得る系はあれやけども、呪文の効果でエネルギー得る系はその呪文が解決されていれば本来得ているもの。

やから、+3/+3(《高峰の注入》)をOKしてる時点で、エネルギーは得てるからってことで、それは問題ないよって。

それはさておき、俺が今回のプロツアーで気を付けたのはエネルギーを得る誘発型能力を忘れない。これだけ考えて、後はもう全敗でも良いからこれだけは忘れんようにと思ってやったわ。

岩:ローリーさんが前回出られたプロツアーは名古屋ですよね?

ローリー:名古屋、名古屋。あん時も・・・久しぶりやったね。殿堂入りしてからあんま出んくなったから。あん時は3年ぶり?とかに出て、いきなりTOP8。「ウェイ~」って感じやったね。

日本のプロツアーやったから。俺日本のプロツアーは得意なんよ。

岩:苦手な飛行機乗らないですしね(笑)

ローリー:それと時差やね時差。俺時差には弱いねん!だから次のナッシュビル(アメリカ)は期待せんとってほしいね(笑)

岩:えぇ(笑)

ローリー:ヨーロッパはまだなんとかなる、むっちゃ夜更かしする感覚やから。アメリカはあかんわ、夜中の2時に起きないとあかんみたいなもんやから。

岩:だから期待するなよと(笑)

ローリー:俺ほんま弱いんやって~昔だから、俺だけ二日前にプロツアー開催地行ってた。俺と一緒に飛行機取るやつは皆二日前入り。どうせ、みんな当時はフリーターとかっやたし(笑)

観光と時差ボケ解消も兼ねてね。それでもきつかったなぁ。

岩:そんな弱いんすね・・・

ローリー:俺今回ず~~~っと、2、3週間時差ボケ抜けんかったよ。・・・何の話してたっけ?

岩:(笑) プロツアーの話ですね、日本のプロツアーは自信あると。京都は期待して良いですか?

ローリー:京都は・・・・・・期待して・・・

岩:良いですか?

ローリー:う~ん、まあ相性がええんはほんまやからな。東京準優勝、名古屋も8、大阪は初日全勝!二日目2連敗してシュンッ・・・てなったけど(笑)

岩:マッドネス対黒コンの時ですね、懐かしい!

ローリー:神戸もあれやで、黒田が優勝して目立たんかったけど俺も20位くらいやったよ。まあ、日本は楽よね。

岩:食の問題もないですしね。

ローリー:食は・・・ほんまにね。俺、遠征行ったら日本食、というか柿の種しか食えんから(笑)

岩:ウソでしょ(笑)

ローリー:ほんまやって!(笑)

岩:今回も黒田さんに頼んでましたけども(笑) じゃあ今回も食事は馴染む・・・

ローリー:馴染むわけない。全然、パンも全然あわんかったわ。俺がアメリカで一番食ってるもん、ドリトスやで(笑)

岩:まあ・・・はずれもないですし(笑)

ローリー:ほんまやで(笑) ドリトスはアメリカで食って美味いやんってなって、俺が一番食ってるスナックになってるわ(笑)

まあアメリカは飯がほんまにキツイわ。高いところはそら美味いよ。でも、肉やしなぁ。むっちゃ歩いて行って長いこと待って、肉食って1万、うそ~んってなるよね。

岩:チップとかもありますしね。

ローリー:こういうの放送で言うた方がおもろいんやけども、昔は俺醤油持ち歩いてたわ。使ってたら皆貸して貸してって。やっぱああいう日本の味に飢えるもんよね。

プロツアーにはどん兵衛・柿の種・醤油、三種の神器。

岩:どん兵衛温いお湯が出てきて困るやつですよね(笑)

ローリー:そうそう、フロントに頼んだら温い(笑) せやから湯沸かし器持ってってたよ・・・こんなんインタビューちゃうくない?次の話いこ!



「改めて、何をするか」


岩:では改めて・・・これから放送なり、企画なり。こんなんしたいっていうのはありますか?

ローリー:う~ん・・・「ブン回り」やん、っていうのを「BMやん・・・」って言うのを流行らせたい。

岩:・・・ん?

ローリー:むっちゃどうでもいい(笑) どうでもええ話なんやけど、俺MOで相手ブン回りな時、頭文字とって「BMやん」って」言うんよね(笑)

岩:ほんまにどうでもいい(笑)

ローリー:流行らんかな、ぼそっと「BMやん・・・」。まあそんなんはどうでもええとして、なんか企画ねぇ、やりたいよ。

岩:どういうのイメージしてます?

ローリー:講習会。

岩:おっ。

ローリー:でも講習会、おもんないからなぁ。

岩:おうおう(笑)

ローリー:あれ、やってる方はおもろいしええねんけど、受けてるお客さんがおもろいかって言うたらそうじゃないんよね。

岩:それは確かに。

ローリー:マジック全く知らん人に教えるのは得意やから、そういう講習会はいいけどね。マジックが上手くなりたい人への講習会とかは盛り上げるのが難しい、満足してもらうのが難しい。

岩:それは思いますね、マジックの講習会というものは本当に難しい。

ローリー:だから・・・俺が、BIG MAGICのなんば店のフライデーに出るとかかな。

岩:おぉ、会いに行ける殿堂。

ローリー:そうそう。放送観てくれてる人らに「明日俺行くから皆も来てね~」みたいなね。

岩:それは手軽かつ、ファンには嬉しいやつですね。

ローリー:俺だけじゃなくてはまちとリュウジも呼んで、月1回とか?それで人、集まって盛り上がってくれると思うねんけどな。

岩:それは良い!月一のちょっと大きいフライデー、あると楽しそう。

ローリー:だから、俺は何でもやるわ。何やったら良いかな?

岩:ローリーさん、ストレートに言って使い道が多くて悩むんですよね・・・(笑)

放送は毎回評判が良いですけど、前に僕とやった(冒頭の挨拶部分を流した緊急会見放送)時に、シールドを真剣にやっていて勝った回、あれはツイッターなんかで良い反応が見られましたね。

マジックの基本的なことを実際にやってみて見せる、みたいな。

ローリー:あーあれね。そういうのんか・・・俺昔、プロツアーで喋りながらやったんよね。

岩:喋りながら?

ローリー:プロツアーでヘッドセットつけて、対戦相手に許可得てね。相手も外人やから日本語で喋ったらわからん。だから問題ないし、せっかくやから「僕は今○○を相手が持っていると考えています。その場合、こういう戦闘をした方が有利に動けて・・・」みたいなんを延々喋ってやってたんよ。放送される試合やったからね。声、入ってないからって後から言われて。俺、アホみたいやんって(笑)

岩:先言うてや~なりますね(笑)

ローリー:まあ、MOはこの思考を喋りながらゲームできるのが良いよね。何でこうなったんか、じゃなくて、今何をどう考えているか。マジック強くなるには、これが大事で。

多くの初心者は、何を考えたら良いのかわからんのやって。わからんから考えられへん。まずそもそも何について考えているのか、っていうのをMO配信は伝えやすいね。

岩:なるほど、戦闘についてもマウスでカードを動かしながら「ここでこうなるとああなるから」と説明しながら、思考を可視化させながら出来るのはMOの良い点ですね。

ローリー:うん、そうやね。そうやって真面目に、考えているところを見せるっていうんかな。それはやっていけたらええと思うね。皆のコメントも拾いながらね。

岩:良いですね。マジックの基礎を。

ローリー:変なデッキは・・・彼が、松本君が作ってくれるやろうしね。

岩:ローリーさんの真面目な一面を見たい、っていう意見は目立ってましたからね。

ローリー:まあ、目立つ意見が正しいとは限らんけどね。少数意見やから声むっちゃでかい、っていうのはどこの世界でもそうやん?

岩:確かに。

ローリー:それを取り入れすぎてもあかんのよね、ここは難しいところ。公式でも、色々やってみたんやけども。特に何も言わんけど現状に満足しているって人も多いんよね。

大きい声ばっか拾ってってそういう人達が離れていくっていうのも避けたい。これは難しいけどね。聞かれたことには答えるようにしたいけどね。

岩:ローリーさん、放送する時むっちゃ考えてますよね。ニコニコ超会議の時、それ思いました。

これからは、真面目なマジックと・・・そして黒田さんと3人でやった、無茶苦茶なトークをやりたいですね(笑)

ローリー:やりたいね。まあ、黒田が忙しくて集まりづらい部分はあるけど、むしろそれがええんかもね。あんまやりすぎるとネタが枯れる(笑)

岩:それっすね(笑) 初見の人に前のネタを話しやすくもなりますし、月一とかでやれれば最高ですね。

じゃあローリーさん、最後に静岡への意気込みを!

ローリー:まだ何もしてないわ、禁止でてからかな(このインタビューは3月13日の禁止改定発表以前に行っております)。まあ、それが出たら・・・イメージしてるデッキはあるから、それでいこうかなって。

変なデッキでは出んと思う、時間がないし。あるいは・・・ヤソ(八十岡翔太)教えて~って泣きつくかな(笑)

岩:どうなるか、楽しみにしています!ステージイベントもよろしくお願いいたします!




ローリーさんらしさを垣間見ることが出来たことかと思う。

これからグランプリ、プロツアー、そして各種イベントで遠くて身近な殿堂のおっちゃんとして、大活躍してくれること間違いなし!

ローリーさんの応援、宜しくお願いいたします!