岩SHOW Card of the Day -今日の1枚-「Stasis」

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Card of the Day -今日の1枚-


Stasis


 

毎日更新なんて無理やで!という現状。しばらく止まっていたがひっそりと更新しよう。今回は徒然なるままに、思いついたことを書いていく。今後はこういう更新が続くことになるでしょう。毎日読んでくれていた、なんて稀有な方がいたら申し訳ないが...まあ、僕がこのコラムを始めた頃、バキバキに書いていた頃に比べると、マジックのコラム・戦略記事・そういったものをまとめたサイトというものは本当に増えた。なので、ちょっとくらい更新が停滞しても気付かれない...このままひっそりと終わるという手もあったが...大人の事情でエクストラターンだ。

 

停滞していたってことで、マジックで停滞といえばもうあれしかないやろ、と。あんまり有名どころはピックしたくなかった、ネタ切れが怖いので避けていたというのがこれまでのこのコラムのスタイルだったが、もうとやかく言ってられんだろうと。それじゃあ書くとしよう...《停滞の監房》について!



停滞の監房/Stasis Cell


 

次元ラヴニカの青緑のギルド・シミック連合は、動物の遺伝子操作などの結構危ない実験を行っている。この実験に用いるものや実験の産物を、安全に保存しておくためにこの青いオーラは作られた。アゾリウス評議会ではそれを囚人収監用の檻として用いているという。


 

青にはよくあるオーラで、アンタップを制限する《脱水》の系譜に名を連ねる1枚。ただ、最近のこの手のカードが、つけられたクリーチャーをその場でタップした上でアンタップ制限を加えてくるのに対して、《停滞の監房》は純粋にアンタップのみを制限。ちょっと待ってくれ、5マナも払ってるんだぞ?と言いたい気持ちはわかるが、時代が時代なのでしょうがない。呪文は過去の方が強かった、なんてことはない。全体的なレベルは確実に年々上がっていってるぞ、飛びぬけたものはないかもしれないが...呪文の強さどうこうは諸説あるだろうが、この《停滞の監房》は警戒持ちのクリーチャーなどには何の効力も発揮しない、あくまで疑似除去であることは明らかだ。5マナと重いのにいい部分がないだって?大丈夫、4マナで付け替えることが出来るぞ。後々厄介なヤツが出て来たらそっちに移していけば良い...って、1回は殴られてるがな!



 

はいはい、冗談はさておき、本題に入ろう。《停滞の繭》!



停滞の繭/Stasis Cocoon


 

『フィフス・ドーン』のカードだけあって、停滞させるのはアーティファクト。クリーチャーであればそれは戦闘に参加できなくなるし、ただの置き物でも起動型能力を封じてしまう。このカードはこの手には珍しくマナ能力も含めて完封するので、マナ・アーティファクトやアーティファクト土地なんかを抑えて展開力を阻害...する頃にはもう手遅れになっているか。まあ、稀有な状況で輝くものがあるってのは良いことだ。



違う違う、こっちこっち。



停滞の罠/Stasis Snare


 

《停滞の罠》は現スタンダードでも現役なので皆さんご存知かなと。インスタントタイミングでクリーチャーを捕らえる、かなりの万能除去。白マナダブルシンボルを許容するデッキにはいつだって選択肢として挙がってくる1枚。最近では見かける枚数がかなり減ってきているが、「青白フラッシュ」全盛期の前々スタンダード環境ではこれがバンバン飛び交っていたな。そのターンに出てきた《大天使アヴァシン》に対処可能なのがポイント。



わかった、降参だ。書きますよ、《停滞》について。



停滞/Stasis


 

記念すべきマジックの始まりの302枚の1つである《停滞》。そこから『第5版』までは基本セットの青の顔役を務めたが、そのあまりの強さ故に『第6版』で勇退となった。強いというか、壊れ。マジックの最も面白くない負け方を対戦相手に押し付ける、強烈な能力故に嫌われてしまったカードである。嫌っている人と同じくらいに好きな人がいるのもまた事実だが。


 

アンタップ・ステップを飛ばす、という驚異的な能力...マジックの最初のセットでよくぞこんなものを作り上げ、投入してきたなと毎度のこと思う。最初のセットでそのゲームの根っこのシステムに中指立てるカード作るって、すごいことじゃないかなって。アンタップ・ステップがゲームから消失するということは、土地やクリーチャーが使いきりになってしまうという事である。滅茶苦茶だ。勿論、そんなエンチャントが2マナで手に入るわけもなく、維持費として毎アップキープ青マナを1つ要求される。アンタップがないのだから、この青マナを得るために《島》を寝かせていけばいつか手が足りなくなってしまう、というわけだ。そりゃそうだよな。ただ、この制約を無視する方法なんていくらでもある。《極楽鳥》に《賦活》をつけてチャキチャキやるのが最も知られているか。《資源の浪費》も相性が良い。《吠えたける鉱山》でドローを増やして《島》を得るなんていう手段を選んだ猛者もいる。その際には《Despotic Scepter》が役に立つ。対戦相手のエンドにこれで《停滞》を割って自分だけ土地を全部アンタップして、《停滞》再設置...ってな具合に、一切攻めずに盤面の時を止め続け、自分のライブラリーだけを《フェルドンの杖》で修復する、という戦術で勝利する「ターボ・ステイシス」「スカンダリー・ステイシス」といったデッキが愛好家に用いられていた時代が確かに存在した。《宿命》のように相性の良いカードも色々とあった、というのも大きいだろう。『第6版』の引退の後、この後を継ごうとアンタップ阻害エンチャントはいくつか作られたが、結局初代《停滞》に並ぶカードは作られなかった。再録禁止リストには入っていないので、いつか帰ってくるかもしれない...いや、通常セットには入らないだろうな。マジック25年目を祝う『アイコニック・マスターズ』に入るんじゃないの?と睨んでいるのだが、果たして。

 

イラストが他のマジックと一線を画すものとなっていて味わい深く、故に人気が高い。Fay Jonesという女性画家が手掛けた、唯一のカードアートとなっているが...何故そんな人物がマジックにアートを提供したのか?実は彼女は、あのマジックの生みの親、リチャード・ガーフィールド博士のおばなのだとか。甥っ子が何やら新しいゲームを作るということで、力を貸してくれたのだろう。彼女はたった一度だけ、町のゲームセンターにてサイン会を行ったことがあるらしい。対戦相手がサインドの《停滞》を設置して来たらどうやって手に入れたのか、聞いてあげるとニンマリとしてくれるかもしれない。


 

これで停滞の二文字を名に冠するカードはすべて...と言いたいが、実はもう1つ...おそらく日本語名が与えられれば「停滞の連鎖」になるであろう1枚があるので、ついでに。



Chain Stasis


 

対象のパーマネント1つをタップ、あるいはアンタップする。《ぐるぐる》だ。この効果を受けたパーマネントのオーナーは、②青を支払い、この呪文のコピーを作っても良いという...《稲妻の連鎖》の系譜、『オンスロート』の連鎖サイクルとの間を繋ぐカードだ。ミッシング・リンクってやつですな。3マナでコピー、ということは青込みで4マナ以上生み出せる状態のパーマネントがあれば、無限マナってことだ。《High Tide》《繁茂》とかを使って...う~んアホ!しかし停滞という名にあって、むしろ停滞させずに活発にさせるアンタップも選べるってどういうことやねんと、ツッコまざるを得ないのであった。じゃあ、今日はこれでオシマイ。



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