【BIG MAGIC Open Vol.9】 BIG MAGIC Sundayモダン ROUND1 松原 一郎(東京) vs 寺田 智行(静岡)

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text by Seigo Nishikawa

スタンダードで《守護フェリダー》、レガシーで《師範の占い独楽》が禁止されるという激動の週を、モダンは禁止改定無しという結果で迎え、いよいよ目前に迫ったグランプリ神戸に向けてデッキ調整を本格的に開始したプレイヤーも多いであろう。

そんな中GWという絶好の日程で開催されるBIG MAGIC Sunday Modernには、406名(満員御礼!)という参加者が集まり、グランプリ神戸の前哨戦と言って差し支えの無い活気に満ちている。ここで優秀な成績を残したデッキがメタゲームのスタートとなるであろうことは間違いないし、下位に埋もれてしまったデッキの中に、神戸での栄冠を掴むものが隠れているかもしれない。

横浜から神戸へ。

日本でも有数の港町として知られる二つの都市が、今「モダン」というキーワードで結ばれた。二つの都市に勝利と言う橋を架けるのは、貴方かもしれない。

さぁ、今日は一日モダンで楽しもう。神戸に向けて、全力でMtGを楽しもう。

 

【BIG MAGIC Sunday】 BMSモダン ROUND1 松原 一郎(東京) vs 寺田 智行(静岡)

そんな記念すべき大会の第1試合、フィーチャーテーブルにやや緊張の面持ちの寺田と、全く表情を変えない松原という対照的な二人が席に着く。



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Game1

2017/05/04 9:35 BIG MAGIC Sunday Modernは、寺田の《汚染された三角州》起動《沼》、そして《思考囲い》という形で幕をあけた。実にモダンらしい動きと言えよう。



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寺田 智行



そんな寺田の《思考囲い》は松原から《現実を砕くもの》を奪い取り、松原には《貴族の教主》と土地4枚が残される。寺田続くターンは《湿った墓》をアンタップインし、松原の動きを待つ。

松原は《エルドラージの寺院》をセットすると、マリガン時にライブラリートップに積んでいた《難題の予見者》を戦場へ送りこむ。

《ヴェールのリリアナ》
《思考掃き》
《思考掃き》
土地

という寺田の手札が公開され、先の墓アンタップインは《思考掃き》を目的としたものであることが明らかにすると共に《ヴェールのリリアナ》を奪い取り、このまま押し切ってしまいかねない雰囲気が立ち込める。
寺田の《思考掃き》は《オルゾフの魔除け》《死の影》と墓地に送り込み、どちらか一方でも残してよという寺田の心の叫びが聞こえるようだ。

《難題の予見者》の攻撃が寺田に届き、寺田のライフは早くも10。松原は続いて《変位エルドラージ》とつなぐ。寺田も《コジレックの審問》で松原がそれ以上の脅威を持っていないことなどはわかっているのだが、戦場の強大な存在に手を出すことができずいかんともしがたい。

《難題の予見者》と《変位エルドラージ》の前に、寺田には反撃の余地は残されていなかった。

松原 1-0 寺田

 



Game2

《湿地の干潟》から《神聖なる泉》、そして《血清の幻視》と繋げる寺田。松原は《神聖なる泉》をタップインという立ち上がりとなる。

続くターンには、《思考囲い》で
《魂の洞窟》
《エルドラージの寺院》
《空中生成エルドラージ》
《現実を砕くもの》
《難題の予見者》
《頑固な否認》
《古きものの活性》
という松原の手札から、Game1の決め手となった《難題の予見者》を抜き去った寺田は、松原の2ターン目《空中生成エルドラージ》は甘んじて通すものの、3ターン目《現実を砕くもの/Reality Smasher》には《流刑への道》をきっちりと合わせダメージを最小限に抑えていく

そうはいっても、相次ぐ土地やスペルによる自傷もあり、残りライフは10。だがこの痛みを快楽へと変える《死の影》さえ引いてしまえばすべては逆転の道へつながる。

松原が《古きものの活性》を使用すると、そこに《空中生成エルドラージ》と《希望を溺れさせるもの》という2体のエルドラージが示された。これにこの試合で唯一と言っていい思案の海に耽る松原。



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松原 一郎



現状持てるリソースでは《希望を溺れさせるもの》には1マナ足りない。寺田のライフを考えれば《空中生成エルドラージ》でも押し切るだけの力はある。だが寺田に除去が多くあると最後つめ切れない恐れもあり、それを考えれば《希望を溺れさせるもの》の制圧力は魅力的だ。

悩んだ末、松原は《希望を溺れさせるもの》を選択した。

選択後、松原は《空中生成エルドラージ》に攻撃を指示すると、そこに寺田から《致命的な一押し》が飛ぶ。飛ぶのだが、一押しする力が足りないのか《空中生成エルドラージ》は戦場に残り続ける。そう、紛争はそこにはまだ生じていなかったのだ。それでも対象に取ること自体は適正であるため《致命的な一押し》は何もすることなく墓地へと落ちた。緊張からか思わぬミスを犯してしまった寺田は頭をかき、改めて《瞬唱の魔道士》から《流刑への道》で《空中生成エルドラージ》を排除する。

「流石に、あれは勿体無さ過ぎましたね」

寺田は試合後、いの一番にこれを反省した。無為に除去を失ってしまったばかりか、結果として松原に《希望を溺れさせるもの》への渡りを付けさせてしまうことになったのである。

松原からは当然の《希望を溺れさせるもの》、そしてダメ押しとばかりに、《空中生成エルドラージ》が追加されると、寺田の表情が歪み、そのままデッキを片付けざるを得なかった。

松原 2-0 寺田

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