【BIG MAGIC Open Vol.9】BIGMAGIC Sunday Legacy 準々決勝 稲村 祥男(大阪府)vs 小林 龍海(新潟県)

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BIGMAGIC Sunday Legacy 準々決勝 稲村 祥男(大阪府)vs 小林 龍海(新潟県)

by Tatsuo Sekimoto



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準々決勝はURデルバーのミラーマッチ。URデルバー2色にまとめることによってより動きを安定させ、小回りが利く形にしたデルバー系デッキだ。火力の枚数が多いため他のデルバーより爆発力があり「気がついたら死んでいた」なんていうこともある。爆発力の秘密は極限まで切り詰められた土地と軽量化を追求したスペル選択だ。これぞレガシーならではのデッキと呼んでいいだろう。

土地18枚。過去、RUGデルバーというビートダウンがその枚数で回っていたのだから恐ろしい。スタンダードでは考えられない構築だ。小林のデッキはRUGから緑を抜いたUR。近年インフレしているクリーチャーの質は等々緑なしでもデッキが成立する水準にまでになった。恐ろしいことだ。
緑のクリーチャー枠の代わりに入っているのは《渋面の溶岩使い》《真の名の宿敵》《瞬唱の魔道士》とそうそうたるメンバー。特に《真の名の宿敵》は常軌を逸した強さだ。

対する稲村のデッキの土地の枚数は16枚。もはやコンボデッキの領域だ。
小林のデッキと違って《渋面の溶岩使い》《瞬唱の魔道士》《真の名の宿敵》はなく、《僧院の速槍》《嵐追いの魔道士》《騒乱の歓楽者》が入っている。稲村の方が若干速度を意識していると言えるだろうか。

BIG MAGIC Sunday Legacy最大勢力まで上り詰めたURデルバー。その頂点が直接対決によって決まる。





Game1

互いに《ギタクシア派の調査》で探り合うところから始める。調査員がもたらした情報は小林は《もみ消し》を、稲村が《稲妻》と《稲妻の連鎖》を握っているということだ。

小林は手札に2枚のクリーチャーを握っているが犬死を嫌がって展開しない。
一方の稲村も小林の手札に《もみ消し》があるのでフェッチランドの起動は慎重にならざるを得ない。



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(小林 龍海)



小林は《もみ消し》をしっかり構えた状態で《秘密を掘り下げる者》をプレイ。次のターンには《昆虫の逸脱者》へと変身させると2枚目の《秘密を掘り下げる者》を出す。小林が押している形でゲームが推移する。

対する稲村は《沸騰する小湖》を起動。
このとき小林は《もみ消し》を持っているのだが通して《山》が出る。ここで《沸騰する小湖》を《もみ消し》ても手札から土地がセットされて同じ結果になる。それなら《ギタクシア派の調査》で見た《稲妻の連鎖》を打ち返した方がよいと判断したと思われる。

稲村は《秘密を掘り下げる者》に《稲妻の連鎖》を当てる。
小林は(赤)(赤)を支払って稲村本人に打ち返す。これで稲村のライフは10点に。
小林がフルタップの隙に、稲村は《稲妻》をプレイして2体目も焼く。さらに自分は《秘密を掘り下げる者》を出してターンを終了する。

一転して稲村の場にのみクリーチャーがいる状態になる。だが、そこにたどり着くまでに稲村のライフは半分まで減ってしまった。盤面の有利かライフの有利か。まだまだわからない展開になってきた。

小林は返しに《渋面の溶岩使い》。《ギタクシア派の調査》で見えた火力は全て使わせているため焼かれる可能性は低い。
稲村は虎の子の《意志の力》で《渋面の溶岩使い》を打ち消す。

だが、小林は続けて《若き紅蓮術士》プレイ。こちらが本命のようだ。小林は《ギタクシア派の調査》で《若き紅蓮術士》からトークンを生み出してからターンを終了する。

稲村の《秘密を掘り下げる者》は《もみ消し》を公開して変身。

小林:「そっちもあるのか。なるほどね」

稲村は《騒乱の歓楽者》を2マナでプレイ。地上をがっちり固めて空から殴るつもりだ。
小林は《もみ消し》で《騒乱の歓楽者》の誘発型能力を消そうとする。だが、稲村は《意志の力》で《もみ消し》をカウンターする。
《意志の力》で減った手札が補充される。まったく器用な生物だ。

小林はマナが寝ている間に《稲妻》を《昆虫の逸脱者》へ。これでエレメンタル・トークンが3体に。
これ以上の横並びは避けたい稲村。《稲妻の連鎖》で《若き紅蓮術士》を焼いてトークンの生成を止める。

稲村は《秘密を掘り下げる者》をプレイ。そしてこの《秘密を掘り下げる者》は次のターンには《渦まく知識》を公開してあっさり羽化した。
稲村は《僧院の速槍》をプレイしてから《昆虫の逸脱者》と《騒乱の歓楽者》でアタック。

小林はエレメンタル・トークンで《騒乱の歓楽者》を受け止める。3点ダメージが通り小林が残り8点。
ついにライフも追い付いてきた。

稲村は《ギタクシア派の調査》で小林の手札が《目くらまし》と《呪文嵌め》の2枚であることを確認するとフルアタックを仕掛けた。
小林は《騒乱の歓楽者》のみブロックして残りはスルー。5点ダメージが入り、小林のライフは残り3。

稲村は手札から《稲妻の連鎖》を公開した。

稲村 1-0 小林





Game2

小林の先陣を切るのは《秘密を掘り下げる者》。
対する稲村は静かな立ち上がり。まずは《ギタクシア派の調査》で相手の出方を見る。公開された手札は《溢れかえる岸辺》《山》《若き紅蓮術士》《渦まく知識》《Volcanic Island》だ。稲村は続けて《思案》を唱えて終了。

小林の《秘密を掘り下げる者》は《ギタクシア派の調査》を公開して即座に変身。さらに小林は《若き紅蓮術士》を出してから《ギタクシア派の調査》。《秘密を掘り下げる者》がアタックして稲村のライフは13点。

怒涛の勢いで攻めてくる小林。減速させるために稲村は《赤霊破》を唱え《昆虫の逸脱者》を除去する。《若き紅蓮術士》とトークン2体が殴って残り9点。

小林は《渦まく知識》で《不毛の大地》を引き当て稲村の《Volcanic Island》を壊す。これで稲村の土地は《島》のみだ。
これには稲村も嫌そうな表情を浮かべた。握っていた《乱暴+転落》でトークンごと一網打尽にするプランが崩れた。

稲村は《思案》をトップデッキしてで赤マナを見つける。《乱暴+転落》をプレイするのが1ターン遅れたがまだまだ立て直せる。しかし、ライフを守る必要がある。《若き紅蓮術士》は《稲妻》で今のうちに除去する。2度手間になるがライフが貴重な場面なためやむを得ない。

小林のエレメンタル・トークン3体がアタックして稲村は残り6点。先程の《稲妻》で全体除去は握っていないと判断したのか小林は増援の《若き紅蓮術士》を出す。
お互いの思惑は違うのだが、結局これが稲村の行動にハマった形になった。2枚目の《若き紅蓮術士》は《乱暴+転落》でトークン諸共墓地へ。

小林:「《乱暴+転落》強すぎ」

一気に形勢逆転した稲村は《僧院の速槍》で攻める。
小林も《不毛の大地》《もみ消し》で稲村の土地を《島》のみに縛ってから《秘密を掘り下げる者》を出して最後の5点を詰めることに注力する。

だが、稲村は何とここで《沸騰する小湖》をトップデッキ!《乱暴+転落》で《秘密を掘り下げる者》を除去しながら《僧院の速槍》で攻撃。ピンチのときにこそデッキが応えてくれる。

しかし、それをねじ伏せるかのように小林《真の名の宿敵》が放たれる。

稲村:「マジかー」

深いため息が出るのも理解できる。稲村の手札には《赤霊破》がありマナさえあれば対処できた。だが、今はフルタップ。この時点で稲村のライフは4点。2度の攻撃には耐えられない。

ここで稲村のトップしたのは《沸騰する小湖》。さっきは嬉しいトップデッキも今は疎ましく感じる。ライフに余裕がないため起動することはできない。それでも次のトップデッキにかけて《稲妻の連鎖》をプレイ。小林のライフを6点にする。

ターンが返ってこれば...という場面だったが、小林の《電弧の痕跡》がそれを許さなかった。


稲村 1-1 小林





Game3

先手の稲村は《僧院の速槍》。
後手の小林は《秘密を掘り下げる者》。



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(稲村 祥男)



2ターン目、稲村は《僧院の速槍》を追加して《思案》。さらに《ギタクシア派の調査》。2体の《僧院の速槍》でアタックして一挙6点ダメージ。小林のライフは12点まで減る。

一方、小林の《秘密を掘り下げる者》は変身しない。
それでも小林は《不毛の大地》で《Volcanic Island》を壊してから《稲妻》で《僧院の速槍》を除去。立て直しを図る。

だが、小林が出した《秘密を掘り下げる者》はあっさり除去される。その間にも《僧院の速槍》のダメージが積み上がっていく。

稲村はライフを4点にまで詰めた段階で《秘密を掘り下げる者》を追加する。

小林は《電弧の痕跡》をプレイして一網打尽を狙うが、稲村は《狼狽の嵐》でカウンター。
《秘密を掘り下げる者》は《狼狽の嵐》をめくってきっちり変身した。

稲村、最後は寄り切りで勝利!

稲村 2-1 小林

稲村 win!



小林:「《電弧の痕跡》が通ればなあ...」
稲村:「そうですね。《渦まく知識》を消すのを我慢してよかった」

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