【BMInvi】BIG MAGIC Invitational Round 1 松本 友樹(東京) vs 野宮 陽平(東京)

タグ:, , , ,

Text by 森安 元希


inv1.jpg

BIG MAGIC Invitational Vol.3。

「優勝者にプロツアー権利が渡される」ことが予選開催の当初から発表された形としては、初めての開催となる大会だ。

プロツアー出場を狙う"真剣師"たちが熾烈な予選を勝ち抜き、過去になく盛り上がりをみせている。

そのうちの1人、BIG MAGIC所属プロ、松本 友樹もプロツアー出場に賭けていた。

昨日のラストチャンストライアルで抜けたデッキが話題となっている。

デッキビルダーとしてその腕をふるって完成させた【ティムールミッドレンジ】は中速のビートダウンだ。

《不屈の追跡者》や《逆毛ハイドラ》といった場持ちは良いが飛行を持たないクリーチャーたちで状況に応じて《キランの真意号》に搭乗し、
その間に《自然に仕える者、ニッサ》でアドバンテージを確保してゆくという形のようだ。

対する野宮もティムールカラーのデッキチョイスだ。
果たしてこれを同型対決と言えるのか―...





Game 1
inv1-1.jpg



松本が後手2ターン目に《キランの真意号》を置いて盤面が動き出す。
野宮は返しに《霊気拠点》から《ならず者の精製屋》でエネルギー利用型のデッキであることを示す。

松本は《つむじ風の巨匠》で、即座にトークンを生成する。2/3と1/1の2体で《キランの真意号》に搭乗し、アタック。順調な駆け出しだ。

野宮はエネルギー3つのところで《霊気池の驚異》を設置。
【ティムール霊気池】であることが確定する。

松本は果敢に《逆毛ハイドラ》をプレイし、《キランの真意号》に搭乗してゆく。
《絶え間ない飢餓、ウラモグ》という明確なエンドカードにたどり着かれる前に、ライフを削り切りたい。
全員でアタックし、野宮の《ならず者の精製屋》と《つむじ風の巨匠》本体を交換してゆく。
野宮が《織木師の組細工》を置いてライフを保ちつつ、ようやく《霊気池の驚異》にエンジンをかけていく。

《霊気池の驚異》起動。《織木師の組細工》がめくれる。
次のターン、もう1度起動。《霊気池の驚異》がめくれる。
伝説の状況起因処理で再起動の為のエネルギーとアンタップ状態の《霊気池の驚異》を再入手する。
即座にもう1度起動。3度目の正直として、めくった6枚に―...《絶え間ない飢餓、ウラモグ》は未だいない。
《ならず者の精製屋》で《逆毛ハイドラ》をキャッチしつつ"4度目の正直"に賭けた。

野宮がウラモグ・チャレンジに挑戦している間にも、松本の戦線は横に広がり続けている。
4度目の起動は、ライフ的に最後の起動のチャンスとなる。

野宮は今までになく、ゆっくりと1枚ずつめくるが―...その6枚のうちに―...
《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が―...ない!?

野宮「ありませんでした」

野宮 0-1 松本

松本「全然ウラモグ出ませんでしたね」
「実は―...」とハンドから、2枚の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を公開する野宮。
それが全てではないとはいえ、当たりの確率は著しく減っていたようだ。





Game 2

松本、1マリガンでスタート。

野宮の《ならず者の精製屋》に松本が《蓄霊稲妻》を合わせて、ゲームスタートだ。
松本は《自然に仕える者、ニッサ》X=1でプレッシャーをかけてゆく。初の可変式PWの活躍やいかに。
まずはプラス2能力でドローの質を確保してゆく。

inv1-2.jpg

野宮は2体目の《ならず者の精製屋》プレイの様子見だ。
松本、《逆毛ハイドラ》プレイ。
その後に《自然に仕える者、ニッサ》の+0能力で仕込んでいた土地を置いてマナ加速。
この2ターンだけでも、《自然に仕える者、ニッサ》の強さが良く表れている動きだ。
《自然に仕える者、ニッサ》の+2は実にスピーディで、+2、+2、+2と、9にまで成長してゆく。

野宮はこの振る舞いに待ったをかけるべく、松本が用意するブロッカーを逐一《蓄霊稲妻》で焼いて、《ならず者の精製屋》で削ってゆく。
2体の《ならず者の精製屋》を盤面に用意して、《自然に仕える者、ニッサ》を落とした。
Game 2とは打って変わって中々手元にこなかったが、ようやく《霊気池の驚異》も設置した。
そして松本の《反逆の先導者、チャンドラ》を《否認》したところで趨勢を決めた。

野宮 1-1 松本





Game 3

ダブマリスタートだった野宮だが、《ならず者の精製屋》《天才の片鱗》と続けて《霊気池の驚異》にたどり着く。

松本は《媒介者の修練者》《導路の召使い》と続けて土地2枚ストップのなかでも順調に展開してゆく。
《栄光をもたらすもの》、《キランの真意号》、そして《自然に仕える者、ニッサ》。
《自然に仕える者、ニッサ》+2で土地を仕込んで、マナベースの補強が完了した。

これだけ一方的に盤面を構築しているように見える松本だが、《霊気池の驚異》の"一発大当たり"次第では全てが崩壊する。

その結果やいかに―...それは、分かりやすい形でリザルト用紙に書き込まれた。

野宮 1-2 松本

松本Win!



野宮「プロツアー京都へゆけば、シルバー(レベルプロ)ですか?」
松本「そうですね。行きたいなと思ってます」
野宮「応援してます」

松本は、単純にプロツアー出場に憧れるプレイヤーではない。

プロとしての矜持を守るための戦いでもあった。

"立ちはだかる相手すべてを自らの【ティムールミッドレンジ】で倒してのける。"

松本の静かな決意が、「プロツアーに行きたい」という言葉にこめられた。

BIG MAGIC Open Vol.9 カバレージページに戻る